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 劇遊び<自己表現
  自己表現
           
子どもの絵の間違った見方?


リトミックで情操教育?


自己中心から抜け出る劇遊び?


               

 「おおかみと七ひきの
  こやぎ」
 など、狼が出てくる話は、
 劇遊びでの
役割認識
 なかなか難しいです。

 それは、こやぎへの
 共感できる思い入れが
 強ければ強いほど、

‘最後にではなく最初に
 狼をやっつけてしまおう’
 という気持ちが高まる
 からです。

 子どもの心をひきよせて
 はなさない魅力あふれる
 不朽の名作ですね。


おおかみと七ひきのこやぎ


 グリム童話でもいろんな
 絵本がありますが、
 ‘ドイツ児童書
  優秀賞受賞作品’
 のこの絵本は魅力的です。


               
 



  劇遊びはリトミックと同じく、心と身体で感じたままを劇の役に
  表現することで、心も身体も柔軟になり、情緒が安定します。

  劇遊びの中の役割を学ぶことが大切で、役になることで自分以外の
  人の気持ちを理解できるようになります。

                               
 ☆劇遊び「おおかみと七匹のこやぎ」  

  [4歳児]

  子ども達が子やぎで、先生が狼での即興の劇遊びです。

  まず、積み木やダンボール、椅子などで隠れる場所づくりをして
  かくれる稽古・・・。

  みんなドキドキしながら上手にかくれます。

  こうして気持ちを高め・・・、

  いよいよ、母さんやぎが留守番の注意をして出かけていきます。


  子やぎだけになった家に狼がやってきて、

  「母さんだよ、あけておくれ」

  と言うや否や、

  「やっつけてやる」

  「狼なんかこわくない」




  と隠れるどころか強い強い子やぎに大変身


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  このように、4歳では

  ‘自分は本当は強いけれど、この劇に出てくるやぎは弱くて
   狼に食べられてしまう’


  という役割認識がまだまだできません。

  ‘自分’と劇遊びの‘役’とを切り離して考えることが難しいのです。


  この役割認識は、幼児が自己中心性から抜け出るためにとても大きな
  意味をもちます。


  劇遊びで自分とは違う役を演ずることで、
  ‘自分の気持ち’があるように、‘自分以外の人’にも
  ‘自分とは違う気持ちがある’ということがわかってきます。



  役割を学ぶことはいろんな遊びの中でできます。

  いろんな経験がいろんなごっこ遊びを引き出すことと同じで、
  家でもいろんな役割経験をさせてあげてください。


  役割経験は、まず想像遊びからスタートです。

  たとえば・・・、

  見えないボールのキャッチボールとか、

  お風呂に入らないお風呂ごっことか、

  電車に乗らない電車ごっことか、

  実際にしているかのように遊ぶのです。

  これは2〜3歳からでもとても上手にできます。
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  こうして、見えないものを見えるように遊ぶ想像遊びは、
  役割認識にとても大切
です。
  そして、想像力を豊かにしてごっこ遊びも充分楽しみましょう。


  お母さんごっこのお母さん、電車ごっこの運転手さんの役などは
  身近だったり、まねをしやすいので役割認識を持つのが早かった
  しますが、突っ込んだことを尋ねると、自分に戻ってしまいます。


  たとえば・・・、

  「お母さんがテレビで好きなのはなあに?」と尋ねると、

  「セーラームーンよ」とこたえるかわいいお母さんです。



  こういうのも、5歳くらいになると、

  「ドラマよ」なんてこたえるようになります。



  いろんな経験をさせてあげてください。
  そしていろんな再現ごっこ(劇ごっこ)を楽しんで、
  相手役になってあげてください。



  お話ごっこ、劇遊びも、家で、そしてふたりだけでも充分に
  楽しめます。

  「おおきなかぶ」「とりかえっこ」など、自分と重ねやすいお話
  楽しんでから、

  「三びきのやぎのがらがらどん」など、自分とは違うけれども・・
  というお話(やっつけられるトロル役)にも挑戦してみてください。
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 ○劇遊びのナレーターは偉い?

  「ナレーターって聞いていたのに、どうしてはずされたんですか?」

  年長クラスの劇遊びを披露した日の、あるお母さまからの苦情です。


  劇遊びは発表のためではなく、感じたことを役で表現して楽しむものです。

  役を固定してしまうのではなく、子どもには

  「今日は、魔法使いをする」という日もあれば、

  「今日はナレーターがいいな」という日もあります。


  ‘この役しかできない’というのではなく、子どもがやりたい役をします。

  役に偏りができたら、年長クラスなら、話し合いが持てる年齢なので
  話し合いで決めます。

  ‘ナレーターは、台詞がたくさんで難しいから、賢い子どもがなる’
  という概念は子どもには全くありません。おとなの思い込みです
  (音楽会でもカスタネットよりも大太鼓などをわが子に望むことも
   同じですが・・・)。

  子ども本人が望んで選んだ役割を、おとなの概念で否定することは、
  子どもを否定していることと同じです。
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  劇遊びの日に苦情を言ってこられたお母さまは、本人の希望だとしても
  腑に落ちないご様子でした。

  子どもは親の願いをとても敏感に感じとります。そしてともすると
  親の願いが自分の願いになることもあります。大好きなお母さんが
  嬉しいと思うことを選んでしまうのです。

  ただ、その願いが子どもの望みとかけはなれていたら、子どもは
  板ばさみになってとてもとても苦しみます。

  お母さんが劇遊びを見に来られるその日、ナレーターを選ばなかった子は、
  お母さんがナレーターをとてもとても楽しみにしているのを知って
  いました。

  けれど、あえてナレーターを選ばなかったのです。
  なぜでしょう?

  お母さんが来られない日にはきっちりとナレーター役をこなします。
  だから恥ずかしいとか、できないとかではありません。

  「だって、ぼく、魔法使いがやりたかったから・・・」

  と、小さな小さな声で話してくれました。お母さんへの小さな小さな
  うったえ・・・自己表現です。でもやっぱり悲しそうな顔・・・。
  お母さんの願いを果たせなかったから・・。子どもはやさしいです。


  親の望みを子どもに託すのではなく

  子どもが望むことを理解して受けとめて、子どもが安心して
  ありのままの自分を出すことができるように
  ‘ちゃんと見ている’ということをきっちりと伝えてあげてください。



  ‘劇遊び’は自己表現のひとつです。

  そこに役の優劣はありません。主役も脇役もありません

  どの子どももしっかり感じたままを役につなげています。

  子どもが劇遊びの役割の中で表現したいこと、
  そのままを受けとめてあげてくださいね。     △TOPへ





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