EQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育

ＨＯＭＥ　　｜　　ＩＮＤＥＸ

『 ズボン 』　　3歳 　　　　　「男の子、うがいに行きましょう」 　　　　　「女の子、靴をはきかえましょう」 　　　　　などの声かけで、 　　　　　少しずつ動きが伴ってきた子どもたち。 　　　　　今日は 少し 呼びかけを変えてみた。 　　　　　「ズボンをはいている子どもたちは　いすを運びましょう」 　　　　　と。 　　　　　すると・・・ 　　　　　「？？？」 　　　　　「？？？」 　　　　　誰も動こうとはしないので 　　　　　もう一度、 　　　　　「ズボンをはいている子どもたちは・・・」 　　　　　と呼びかけた。 　　　　　ようやく ふたりの男の子が動き出した。 　　　　　Ｙくんが そこで 　　　　　「ぼく、ズボン はいてないよ」 　　　　　と素足の部分を 手でさわる。 　　　　　他の男の子は 　　　　　「これ、なに？」 　　　　　とズボンを指差すので 　　　　　「ズボンだよ」 　　　　　と こたえて やっと動き出した。 　　　　　女の子の中にもズボンの子はいたが 　　　　　動かず・・・。 　　　　　しっかりものの Ｎちゃんは、 　　　　　「それ、男の子のことだよ」 　　　　　と、他の子どもに説明していた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 　　　　　ということで、今日は・・・ 　　　　　「ズボン」 　　　　　ということばと、今までの経験・・・ 　　　　　今までだったら、とにかく早く動きたくて、 　　　　　呼びかけの内容を聞いて 考えてから動くのではなく 　　　　　自分の欲求が優先されて 　　　　　内容 おかまいなしで 動き出していた子どもたちです。 　　　　　それが 今回は・・・ 　　　　　経験の積み重ねで、 　　　　　‘話を聞いて 理解して 考えてから動く’ 　　　　　ことができるようになった子どもたちの様子です。 　　　　　随分と成長しました。 　　　　　が・・・、 　　　　　考えて考えて考えて 出たことばが 　　　　　Ｙくんの 　　　　　「ぼく、ズボン はいてないよ」 　　　　　ということば。 　　　　　そのあと、素足の部分を 手でさわっている様子から 　　　　　どうも 長ズボンだけを‘ズボン’と思っているＹくんでした。 　　　　　現在は ‘ズボン’という呼び方は あまり使われなくなって 　　　　　きていますが、 　　　　　子どもの‘ズボン’に関しては 　　　　　‘ズボン’だと 思っていました・・・ 　　　　　家庭では 　　　　　‘半ズボン’‘長ズボン’ 　　　　　と きっちりと分けて教えているのでしょうか？ 　　　　　それとも 　　　　　‘ジーンズ’‘パンツ’ 　　　　　と 教えているのでしょうか？　 　　　　　子どもたちの 戸惑いをみて 　　　　　今回は 　　　　　‘ズボン’という 呼び方を 逆に考えさせられました。 　　　　　最後にしっかりものの Ｎちゃんの 　　　　　「それ、男の子のことだよ」 　　　　　ということばには 　　　　　前回の 　　　　　‘青’＝‘男の子’ 　　　　　というおとなの概念に似た 　　　　　‘ズボン’＝‘男の子’ 　　　　　という 思いが感じられ、かわいらしさを感じましたが・・・ 。 　　　　　《子どものことば》　が 　　　　　現在は 　　　　　《おとな化》　してきている気がしてなりません。 　　　　　わずか 2歳の子どもが、 　　　　　「無理！」 　　　　　と叫んでいる姿も見かけました。 　　　　　「いや！ 」 　　　　　ではなくて 　　　　　「無理！」 　　　　　って？？？？ 　　　　　子どもは おとなのまねをして 　　　　　‘ことば’を学びます。 　　　　　3歳のこどもが 　　　　　今まで生きてきた3年間の経験と、おとなのまねから発する 　　　　　ことばには、 　　　　　子ども独特の世界が見られます。 　　　　　意味を取り違えていたり、ことばそのものを間違っていたり 　　　　　種類がたくさんすぎて 曖昧になっていたり・・・ 　　　　　子どものことばを聞いて 　　　　　そのことばを発する意味を考えることが 　　　　　子どもとの対話だと思っています。 　　　　　‘子どものことば’は素晴らしいですね。 　　　　　 　　　INDEX　　＜前号　　次号＞　　　　 Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.