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      『 自己中心性 @』  3歳



     「 しぜん 」 の絵本で、秋の虫を見た。


     ‘コオロギ’のオスは鳴くが、メスは鳴かないことを知ると、




     「 ぼく 男の子、 ぼく 泣くよ 」


     と 言う。





     はねをこすり合わせて鳴くことを知ると、







     「 違うよ、お口で 泣くんだよ 」







     と、言っていた。





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     ということで、今日は・・・



     コオロギのことを 自分と同じように考え


     「 違うよ、お口で 泣くんだよ 」


     と言った子どものことば・・・





     3歳というこの時期は、
     まだまだ自己中心性が抜けきらないときです。


     自分の思いが、他者みんなの思いと違うことがありうるとは
     考えられない時期・・・です。





     ごっこ遊びをしても、

     ‘病院ごっこ’
     で、大人の患者さんに

     「 頑張ったら このおもちゃをあげますから 」(笑)

     と言ったり、

     「 この薬は いちごの味ですよ 」(笑)

     と言ったりするのも

     自分が好きなものを、
     相手が大人であろうとも 相手も好むと思っているからです。


     ‘人’のことは、このように 4歳になっても
     まだまだ‘自分を中心に’考えるのですが、

     ‘虫’や‘花’などのことは、少しずつ
     ‘人’ また、‘自分’ とは違うという目で
     見ることができてきてはいます。


     絵本でも
     ストーリーのある お話絵本なら、

     自分が主人公になりきって、気持ちを重ねて
     ストーリーの世界を楽しみますが、


     「 しぜん 」 などの科学絵本は、

     ‘人’とは違う ‘生命’を持つ世界への興味として
     まったく違う目で楽しむ子ども達です。


     が、その中で
     まだまだ‘自分’の目にあわせてことばを発する、

     ‘自己中心性’の抜けきらない成長過程にある
     子どもの様子でした。




     ‘虫’や‘花’などの生物に対して、
     同じ‘生命’をもつ生き物として
     同じ気持ちで大切にする
ということと、

     それとは別に、
     ‘異なる生’を持っていることを知るということは
     興味はあるけれども 子どもにとっても 難しいようです

     (子どもに どのように気付かせていくかということは、
      大人にとっても とても難しいことです)。




     大切なのは、子どもの成長に合わせて、

     子どものことばを否定せずに受けとめ
     (例.「‘コオロギ’も口で鳴くと」
      いうことば を受けとめるというのは、

     「そうなの?
      それじゃあ、今度、いっしょにコオロギを見てみようね」


      と 言ってあげたいですね)

     いっしょに考えるということです。



     子どもの疑問に対して
     教えるのではなく・・・

     子どもの思い込み(自己中心性からくる)に対して、
     訂正するのではなく・・・


     疑問を投げ返し、
     いっしょに考えるという姿勢が大切
ですね。



     今日は、自己中心性からくる、
     子どものかわいらしい ことばをお送りしました。


     が、


     成長過程で必ず通る、その‘自己中心性’が、

     ときに 危険な行動を生むということ、
     大きなケガや命にまでかかわることにもなってくる例を
     次回はお伝えしたいと思います。

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