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      『 夢と現実 』  5歳



     「 今日ね、机がくるの 」


     「 昨日、鉛筆削りをおばあちゃんに買ってもらったよ 」



     と、毎日、小学校の話が出る。


     「 私はね、お姉ちゃんが使っていた机を使うから

       新しいのは買ってもらえないの 」



     と言う子も…。


     「 昔の人は、おみかんの箱を机にしてたって

       お母さんが言ってたよ 」


     「 えーーー!!」


     「 新しいのがいい 」


     「 でも、たくさんたくさん買うものがあって…  

       鉛筆でしょ  

       消しゴムでしょ  

       ランドセルでしょ  

      そうしたらすごーくたくさんお金がいるよ 」


     「 お金たくさん使ったら貧乏になっちゃう 」




     小学校入学に向けて夢いっぱいの話から

     お金という現実の話まで、

     ひとつの節目を迎える子どもたちの

     弾んだ会話だった。





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     ということで、今日は…


     夢と現実について…




     小学校の話題でもちきりの毎日です。

     新しい小学校生活に向けてそろえた真新しい準備物。

     そして初めて経験する勉強や宿題までもが楽しみで、

     夢いっぱいの弾んだ会話が聞かれます。


     一方で、お兄ちゃん、お姉ちゃんのお下がりで

     浮かない顔をしている子
もいます。

     そんなときに子どもの口から出た「 ミカン箱の机 」

     そして「 貧乏になる 」ということば。


     夢いっぱいではありますが、

     現実に目を向ける子どもたち
でもあります。


     欲しいものがたくさんあり過ぎて

     なかなか諦めきれないところもありますが、

     やっぱり毎日の生活のことも気にしています。


     大好きなお母さんやお父さんには

     ついついわがままいっぱいになって
しまいますが、

     本当はよくよくわかっている子どもたちです。


     ただ、

     「 お姉ちゃんの机がまだきれいだからそれを使おうね

       新しい机は買わないよ 」



     と、欲しいものを反対されたり、

     その欲求を無理に抑え込もうとされれば、

     強く反発して、欲しい気持ちをこちらも無理にでも

     押し通そうとし
ます。



     一言、

     「 欲しいよね 」

     と、自分の気持ちを口にしてくれたら、

     気持ちをわかってくれているんだと安心でき、

     新しい机を買わない事情にも耳を傾けるゆとりが生まれ
ます。


     「 欲しい 」という気持ちを理解してもらったからこそ、

     「 貧乏になっちゃうよね 」

     と、自分の気持ちを抑えて家庭の事情を理解することばを

     口にする
ようになります。


     また、お下がりの机でもリメイクシートなどで手を加えたり、

     見た目の変化をいっしょに考えたり


     ちょっとした工夫で、新しいものと同じくらいの嬉しさが

     生まれ
たりもします


     夢いっぱいのこの時期、

     諦めというストレスのかかる我慢ではなく前向きな我慢で、

     子どもも大人もいっしょに

     夢のある新しい小学校生活をイメージしたい
ですね。


     初めての大きな節目ですから。





     「 夢は現実の苗木である 」


      by  ジェームズ・アレン





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