![]() |
HOME | INDEX |
![]() 『 妖精 』 小学1年生 小学1年生の疑問。 「 ねえ、どんな妖精になるの? あちこちにいるの? 冬眠していたの? 春だから? 」 首をかしげながら聞いてきたのは… 新型コロナウィルスの 「 陽性 」のことだった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… 社会情勢から学ぶ新しいことばについて… 先月に引き続き、 新聞に投稿されていたお子さまの疑問を共有させて頂きますね。 現在ならではの疑問に思わず 「 はあ! なるほど! 」と 心を動かされました。 「 ようせい 」ということばの音は、 小学1年生の子どもの頭の中では 「 妖精 」に変換されるのは自然ですね。 子どもにとっての「 妖精 」のイメージはというと… 明るく愛にあふれたイメージでしょうか? もっとポジティブだったら 不可能を可能に変えられる魔法使いに似たイメージさえ 持っている子どもたちもいることでしょう。 「 陽性 」に近づけるには いたずら好きというイメージも浮かびますが、 決してネガティブなものではありませんね? そのイメージとはかけ離れた、 「 陽性 」のことばは、 子どもたちにとっては、不思議そのものでしかないことでしょう。 そこでわき起こった、 「 どんな妖精になるの? あちこちにいるの? 冬眠していた の? 春だから? 」 の疑問! 前回のメルマガで、 疑問を持つことの大切さを記しましたが、 いろんな方向にアンテナを張り巡らさなければ 疑問を持つきっかけもつかめません。 アンテナでキャッチした情報を自分なりの理解と照らし合わせ、 そこで自分の理解との食い違いや、 新しい気づきがあって生まれる、 「 どうして? 」の疑問! 今回の「 ようせい 」はまさに 自分の知っている「 妖精 」と「 陽性 」の 大きな食い違いから生まれた疑問でしたね。 アンテナを張る方向の中で 子どもたちにとっては難しい社会情勢も 「 とても知りたい 」情報です。 特に大好きな学校に行くことができない理由もまさに その「 陽性 」にあるのですから。 テレビニュースのほとんどが、 その日の新型コロナウィルスの感染者情報です。 大人でさえ、また感染症の専門家でさえも、 新しいウィルスについてわからないことがたくさんあるなか、 「 陰性 」が「 妖精 」に変わる…という情報は、 子どもにとっては不思議以外のなにものでもないですよね。 「 陰性 」ということばの音は、 子どもたちの辞書の中にはまだなく、 そのまま聞き流しているかにみえます。 が、聞き流しているかにみえる情報も、 「 出会う 」ことで、自分辞書への書き込みになって いるのです。 「 見る 」「 聞く 」「 触れる 」「 感じる 」ことで 初めてのことばとの「 出会い 」があります。 二回目、三回目…と出会いの回数を重ねるごとに ことばの理解が深まり、知識として定着していきます。 きっと「 妖精 」ということばとの出会いも最初は 「 陰性 」のようにスルーからスタートしたことでしょう。 ただ、「 妖精 」の場合は、 映像で出会ったり、ストーリーがあったりで、 目に見えない「 陰性 」や「 陽性 」よりはスルーせずに、 「ん?」と、立ち止まりやすかったのかもしれません。 そして今回、この新型コロナウィルスの感染拡大で、 「 陽性 」ということばと出会いました。 親しみのある「 妖精 」とは どことなく異なる、その有り様! そこであふれ出た疑問のことば! 子どもたちにとっては難しいかもしれない社会情勢も、 こんなふうに初めてのことばとの出会いから たくさんの疑問が生まれ、 生まれたたくさんの疑問から たくさんの学びを得ていきます。 難しい社会情勢の中に出てくる難しいことばを 子どもが理解できることばに無理に置き換えなくても この「 陽性 」のように新しいことばを知るチャンスになる… ということを頭に入れて、新しいことばとの出会いの機会を 作っていきたいですね。 ただ「 わからないことだらけ 」の中では子どもは安心できず、 「 わからない 」 「 できない 」と、 接することそのものを拒否するようにもなります。 子どもたちが理解できることばを交えながら 新しいことばとの出会いをも楽しめることが 理想ですが… 難しいことですね。 子どもたちと同じくらい、 いろんな方向にアンテナを張り巡らせて 当たり前を当たり前と思わずに立ち止まり、 不思議を感じ、感動する子ども心を持ち続けたいですね。 「 6歳の子どもに説明できなければ、理解したとは言えない 」 by アインシュタイン INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
|