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      『 固定概念をくずす疑問 』  小学1年生



     NHK子ども科学電話相談での質問。


     「 なんでオオカミはお話の中で悪ものなの? 」


     「 3匹の子ぶた 」
とか

     「 赤ずきんちゃん 」とか

     「 おおかみと七ひきのこやぎ 」とか、

     いろんな物語の中で

     狼はいつも悪もの!

     「 それはなぜ? 」

     小学1年生の女の子に

     わき起こった疑問だった。





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     ということで、今日は…


     固定概念をくずす疑問について…




     幼い頃から親しんできた物語では狼はたいてい悪ものです。

     そこに何の疑問も持つことなく、

     狼は悪いことをして最後にはやっつけられるという結末


     当たり前のように受け入れてきました。


     「 なんでオオカミはお話の中で悪ものなの? 」

     ラジオから聞こえてきたその質問に思わず

     「 そこに疑問を持つなんて、なんて柔軟な思考なんだろう! 」

     と感動しました。

     狼 = 悪もの

     の物語にたくさん接すると、

     それはそういうものなんだという概念が作り上げられてきます。

     それが前提で、狼の容貌やとがった牙もますます怖く

     見えてきます。


     相談の中で先生は、

     狼は肉を食べる動物で、ウサギとかリスとか小さな動物を

     食べること、

     また、羊やヤギなど、人が飼っている動物も襲っていたこと

     などから悪ものになっってしまったと答えていましたが、

     狼 = 悪もの

     という固定概念のもと、そういう知識も後から加わってきて

     より一層、疑いのない事実になってきますね?


     この小学1年生の女の子が、どうしてそこに疑問を抱いたかは

     わかりませんが、

     先生が女の子に投げかけた、

     「 犬を飼っていた? 」

     という質問、そしてその犬が優しい犬だったという

     こたえを聞いて

     狼が犬科という知識が加わって生まれた疑問なのかも?という

     ひとつの想像は浮かびました。


     ここ数回、メルマガの話題は

     子どもが抱く「 どうして? 」の疑問、質問の大切さ

     ついてですが、

     逆に子どもに投げかける質問によって子どもたちは

     「 どうしてそこに疑問を持ったんだろう? 」

     と、さらにふたつめの新たな疑問を持つきっかけになったりも

     します。


     成長と同時に概念が凝り固まって疑問を持たなくなった子どもも

     「 なんでだろう? 」と、考えることを思い返すかもしれません。


     質問をすると、それに答えようと人は考えます。

     「 オオカミがお話の中で悪ものなのはどうして?という疑問を

       持ったのはどうして? 」


     なんていう、ハードルの高い質問にはなかなか答えられなくても

     「 犬を飼っている? 」

     「 〇〇ちゃんは、狼は悪者ではないって思う?それは

       どうして? 」


     という質問には

     「 なんでだろう? 」

     「 犬のことを尋ねるのはどうしてだろう?


     と、質問に対する答えを導き出す思考だけではない、

     自分自身へのさらなる疑問も浮かびあがってきます。


     質問には質問で返すこと、

     そしてその質問の仕方を変えてみることによって、

     子どもたちの思考の方向も多岐にわたって
くることでしょう。


     「 どうして? 」は、最も頭を使わなければならない質問ですが、

     「 なにが? 」

     「 いつ? 」

     「 どこで? 」

     「 だれが? 」

     「 どんなふうに? 」


     と、つまり、5W1Hで尋ねる習慣をつけると、

     「 当たり前に誰だと思っていたのに、もしかして違うかも? 」

     「 当たり前にいつだと思っていたのに本当にそうかな? 」

     「 当たり前に狼は悪者と思っていたのにどうしてなんだろう? 」


     というように、

     「 思い込み 」「 先入観 」を持つ前に少し考えるように

     なってきます。

     子どもだけではなく、大人にもとっても大切な質問力

     思い込みを疑うことは難しいことですが、

     そこは子どもの質問力を参考に、

     また子どもから教えてもらいながら

     磨いていきたいものだと改めて思いました。





     「 大切なことは質問をやめないことだ 」

      by  アインシュタイン




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