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![]() 『うそ』 5歳、2歳8ヶ月 年長の男の子(5歳)のお母さま、 Kさんからメールを頂きました。 《ー略ー 息子は年長ですが、時々自分に都合のいいように 作り話や明らかにウソと分かる話をします。 5歳の話なのですぐにバレルのですが、 そのまま相槌をうっていていいものか ウソはいけないんだよと教えるべきなのか 判断に迷います。 人に迷惑をかけるようなものであれば 注意すべきと思いますが、 そうでなければ放っておいていいものでしょうか? 大人と話してる場合はウソと分かっていても それなりに対処してくれるでしょうが お友達とでもそんなふうだと先々困るのではと思います。 それに幼稚園での話だと私でも本当なのかウソなのか 分からないこともあります。 そんな時は 「じゃあ、他の人にもきいてみるね」 と言うと慌てて 「いや、きかないでいいよ。みんな知らないだろうから」 などと言ってごまかします。 そんな時に「ウソはいけないよ」と 正したほうがいいのでしょうか?》 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ また、2歳8ヶ月の男の子のお母さま、 Yさんからも頂きました。 《ー略ー 2歳8ヶ月の息子は嘘をつきます。 「昨日おじいちゃんと飛行機乗ったの」 のような願望や想像の嘘ではなく、 「この積み木のお城は誰が作ったの?」「ぼく」 (本当は他の友達)とか、 「ぼく、ディズニーランド行ったことあるよ」 (本当はない)。 見栄を張っているように見える嘘は、 まだ許してもいいのかなぁと思うのですが (それにしても頻度がすごいのですが)、 「ウンチ出てるでしょ?」「出てない」 (本人も出ているのが分かっている) 「お父さんのイチゴ、食べたでしょ?」「食べてない」 といった、ちょっと困った嘘をつきます。 怒られるかもしれないから嘘をついている、 などという、本人が確信的に嘘をついていると思える場合って、 やっぱり問題ありなのではないかと思うのですが・・・? 子どものそのときの心理って、どうなっているのでしょう? 親はどう対処するべきなのでしょう?》 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 子どもはよくウソをつきます。 ウソというよりは、想像の世界にいると言ったほうが 正しいのですが・・・。 Yさんが‘願望や想像のウソは問題ではなく’と おっしゃるように その他どんなウソも、子どものウソは問題はありません。 5歳の年長さんのお母さま、Kさんの 「お友達とでもそんなふうだと先々困るのでは・・・」 というご心配も・・・ 子どもは、友達のことばを‘ウソ’って受け取るよりも、 ‘そんなこともあるのか’ ‘そんなことよりもぼくのほうがもっとすごいんだぞ’ などなど、その‘ウソ’から、さらに自分を表現しようと 受け取ります。 年長さんなので、中にはオシャマな女の子から 「そんなの、ウソに決まってるでしょ?」 なんて、言われるかもしれませんが、 そんなふうに言ってる子どもでさえ心の中では、 ‘そんなこともないとはいえないかも・・・’ なんて思っているものです。 ある子どもが、 「今日ママとバスに乗ってきたの。 そしたらネコがひかれて死んでたの」 と言うと、それら(犬がひかれた話など)の話を受けて、 「あのね、あのね、うちんちもね、 ぼくが幼稚園行こうと思って玄関あけたらね、 キリンが車にひかれて死んでたんだよ」 ということばも飛び出してきました。 これは、年中クラスなので、みんな真剣に話しに 聞き入っていました。 年長クラスだったら、 「えーーーーー、ウソーーーー」 となるかもしれません。が、その子どもでさえ キリンを思い浮かべて新しい想像(ウソ)の世界を 思い描いているものです。 子どもは想像(ウソ)の天才です。 それが子どものすばらしいところです。 子どもには、想像の世界とウソには境がなく、 大人からすれば、戸惑うことが多々あります。 けれど‘ウソ’を‘ウソ’と受け取らずに、 子ども達のように‘ありえるかも’と思ってみれば 子どものまた違った一面が見えきます。 どうか相槌をうってあげてください。 子どもがウソ(想像)を言う時というのは、 たとえば、ケガをして大泣きに泣いたのに 「ぼく、泣いてない」など、 自分のプライドを守る時とか・・・、 見ていないものを見たとか、 行ってないところに行ったとか、 ‘私の話を聞いて’と自分の存在をアピールしたり 大きく見せたい時とか・・・、 そのときそのときの子どもの心を表わしています。 (自分を守るためのウソは小学生になっても 口をついて出てきます) 自分を守ったり、アピールしている子どもには、 その‘理想像’(想像)を周りの大人も一緒に 想像してあげたいと思っています。 「泣いてない」と言う子は、 小さなことでは泣かない強さに理想(想像)を持って いるんだなー、 よし、それならそんな強い子になろうよ・・・・ って・・・こちらも楽しくなってきませんか? Kさんのおっしゃるように、人に迷惑をかけたりする ‘ウソ’はついてはいけないですが そんなウソなら、ウソでもこちらが信じて動こうとすれば、 その前に、 「ウソでーした」 って自分からバツの悪そうな表情をして、謝ってきます。 「そんなの、ウソでしょ!」とか、 「誰かに確かめてみよう」とか はじめっから疑われれば、余計に 「ウソと違う」 ともっともっと自分を守ろうと必死になります。 必死になればなるほどあとには引き下がれなくなります。 信じてあげましょう。 ‘ありえるかも’って動き出そうとしてみてください。 ‘ウソ’がいけないということは、 周りの大人がウソをつかない姿を示すだけで、 子ども自身が考えるようになります。 有言実行、約束は守る・・・などなど・・・ (事情が変わったり・・なかなか難しい時も あるかもしれませんが)。 また、もし、過去に誰かにウソをつかれて、とても困ったり、 戸惑ったりした経験をお持ちなら、 そのときの困った気持ちを話して聞かせたり、 「狼が来たぞ」の話など、ストーリーとして、 聞かせてあげたりするのもいいですね。 お母さんの自伝なら特に、とても興味深く、 そして、大好きなお母さんの気持ちを共有して、 ‘なんてヒドイ’‘許せない’ ‘ぼくはお母さん(その他の人でも)にそんなウソはつかない’ って、スーパーマンになります。 また、Yさんの、 ウンチが出ているのに「出てない」、 お父さんのイチゴは「食べてない」・・・ も、疑われている自分を守るための嘘で、 特に、まだ2才8ヶ月でいらっしゃるなら、 「本当にボクじゃない!」 と思って主張していらっしゃる面もあります。 決して、確信的なウソではなくて・・・。 「ウンチ、でてるでしょ?」 「お父さんのイチゴ、食べたでしょ?」 って聞かれると、大多数の子どもが「NO」と守りに入ります。 子どもだけでなくても、大人でも、 攻撃されたり、非難されたり、疑われたりしたら、 ついつい大きなことを言ったり、 その大きなことがウソになったりなんかして・・・ っていうことありませんか? ウンチのときは、出てる出ていないにかかわらず、 「そろそろ、朝食べたご飯が、ここらへん? いますか?ウンチさん?」 ・・・なんて言いながら腸にそって、 手でお腹をクネクネしてあげたり・・・すると 「違う、今ここらへん」 なーんて、キャハキャハ大喜びです。 そして少しずつ下におりてきて、最後には 「今は・・・じゃじゃじゃーん、ここ!」 なんて大ハリキリで、ウンチをしたことを報告してくれたり します。 もちろん、こんなにスンナリいかないこともありますが(泣)・・ そんな時は、 ‘相手も、つわもの!それならば今度はこの手で・・・’ というように、 子どもを責めたり、疑ったりすることなく、 おとなの知恵で、 どうしたら、 かぶれてしまうかもしれないお尻をきれいにする気になるか、 考えるのも楽しくないですか? イチゴの件は、はじめから子どもが食べたと決めつけないで、 「どこにいちゃったのかな?」 ってあらゆる可能性を一緒に考えてみたいですね。 もしかしたら本当に誰???ってなるかも・・・です。 みなさん、 ただひとつ、 お子様を信じてあげてください! INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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