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![]() 『まねっこ』 3歳児 嬉しかった出来事について・・・ 「ディズニーランドに行ったとき」(5才) 「ゲームを買ってもらったこと」(5才) などなど、話す子ども達。 友達が話すことばを聞いて影響され、ディズニーランドの 話が多くなってきた。 「ぼくもディズニーランドに行ったことある」(3才) 「ぼく、ディズニーランド見た」(3才) などなど・・・。 ディズニーランドの話が多くなってきたところで 3才のTくんに、 「ディズニーランドには、飛行機で行ったの?」 と尋ねてみる。すると、 「お母さんとね、お父さんがね、ディズニーランドに行ったの」 と言う。 「Tくんは行かなかったの?」 「行ったよ。ぼく、お腹にいてたの」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 友達(集団)の中で‘自分を出す’ときには 友達のことばを聞いて、 影響を受けることが多くあります。 たとえば・・・ 好きな食べ物を尋ねて、ひとりが 「ドーナツ」 と言うと、みんなが 「ドーナツ」 「ウインナー」 と言うと、みんなが 「ウインナー」 となることがあります。 こんな時、 「まねばかりして・・・」 とか、 「自分でちゃんと考えて言えばいいのに・・・」 とか、思いませんか? 「今日の朝は、何を食べてきましたか?」 という問いにも、 「ホットケーキ」 とこたえる子のことばを聞いて 「ぼくもホットケーキ」 と言うことも・・・。 これには、お母さまも 「いえいえ、うちは、トーストです」 と慌てて訂正して照れられたり、びっくりされたり・・・。 好きな食べ物なら、 「ドーナツが好きだなんて初耳だけど、そうなのかな?」 ということもあるかもしれませんが、 ちゃんとした事実があることに関しては、 「ウソついて・・・」 とか 「マネばかりして・・・」 なんて、思われませんか? 3才くらいの子どもは、友達の話を聞いて、 その話と自分自身の今までの経験やイメージ (絵本やテレビ、その他、人から聞いた話などなど) とをつなぎあわせて、 新しいイメージを作り出して、ことばにします。 ですので、マネでもウソでもなく、 その子ども自身が今まで生きてきた中での自分そのもの、 オリジナリティーあふれることばなのです。 「ディズニーランドも、まだ連れて行ったことないけれど・・」 という苦笑いの場面でも、 否定したり、ウソとかマネというふうに受け取らずに、 頷いてあたたかく受けとめてあげてくださいね。 そして、ここでは 「飛行機で行ったの?」 と尋ねましたが、 子どものことばを受け取ったら、 さらに質問を投げかけてあげてください。 すると、もっともっと思い出したり、考えたり、 イメージをふくらませて自分自身を話すようになります。 「行ったよ。ぼく、お腹にいてたの」 なんてほのぼのとした素敵なことばでしょう! これが5才くらいになると、 たとえば朝ご飯だったら・・・、 「○○くんはホットケーキを食べたけど、ぼくはパンだった」 と、 ホットケーキのイメージをインプットしたまま、 それとは別に、 先生の質問を思い返して、 ‘今日の朝、自分が何を食べてきたのか’ その記憶を呼び起こして、はっきりと分けてこたえます。 ただ、朝ごはんなどの実際の報告ではなくて、 自分の気持ちをことばにする時には、 5才でも、 「ドーナツが好き」 「ぼくもドーナツ」 と、続くときがあります。 そんな時は、 「どんなドーナツ?」 「チョコレートのドーナツ?」 「お母さんが作ったドーナツ?」 「どこで食べたドーナツ?」 などなど、いろんな質問を投げかけてみてください。 すると、 ‘お母さんは、あまりドーナツは作らないけど・・・ ケーキは作るよ’ ‘お母さんが作ったケーキ大好き!’ なんて、自分自身のことばが聞かれるようになります。 「そういえば、子どもに何かを尋ねるなんてあまりないわ」 とか、 「よくわかってないから、質問なんてしないわ」 とか 「子どものことは私が一番わかってるから あえて尋ねなくても・・」 とか・・・、 そうではなくて、 どんなことでも尋ねることを心がけてみてください。 どんなことでも頷いて受けとめて、 さらに質問を投げかけてあげてください。 大人同士(お母さまとお父さまの間)でも 「それくらい、言わなくても察してよ」 ではなくて、 ことばにして伝え合ってくださいね。 考える力を持ち、個性を失わずに自己表現できるようになるには、 自分のことばをもつことがとても大切です。 それは子どもにだけ求めるのではなくて、 お母さまもお父さまも・・・ みんながそんなふうにことばを大切にして コミュニケーションがとれたら、 どんなに素敵でしょう。 人はことばで考えます。 ことばにすることで思考力が高まります。 受けとめて、投げかけて、 また受けとめて投げかけて、 子どもが話す子ども自身を うーんと輝かせてあげたいですね。 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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