Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 上手くできない 』  5歳児



     ひな祭り製作でのこと。

     お雛様の冠を作った。


     紙を持つ手、ハサミを持つ手を柔らかく動かして
     冠のギザギザを切っていく。


     が、直線切りはできても、ギザギザ切りは難しい。


     はさみを上手く使うことができない子は、
     挑戦しようとせず、折り紙を前にじーっとしているだけ!


     そしておもむろに

     「できない」

     と言う。


     ギザギザに切ることが難しいなら、
     丸くなっても良いから自分で切るよう話すが、


     「ギザギザが良い」


     と言って自分からはさみを

     持とうとしなかった。





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     ということで、今日は…


     “ 自分の手で作る ” ことの喜びよりも、

     “ きれいなできばえ ” にこだわる子ども心
について…





     できばえや、できる・できないなどは二の次で、
     何でも自分一人でやりたい時期がまず、やってきます。


     手を出すと、承知しないというくらい、
     “ ひとりでやる ” ことにこだわる時期…

     3才前の、難しい時期と重なります。


     できなくても、失敗しても

     「 どうしよう 」

     なんて思わず、

     恥ずかしさなんて微塵もなく、
     “ ひとりでやる ” こと、

     そのことだけに大きな喜びを感じる時期です。



     が、もう少し年齢がいくと、

     ただ、“ 実行する ” だけではなく、

     その “ できばえ ” や、
     “ 成し遂げた ” という “ 成功体験 ” を

     求める
ようになります。


     いろんな経験をして、できることも増えてきて、
     達成感をも味わってきたからこそ求めるもの…

     でもあるのですが…


      「 尻込みせずに、とりあえずは挑戦してみればいいのに 」


     と、

     ちょっぴり歯がゆい思いをされること、
     ないでしょうか?



     失敗やできばえにとらわれずに、
     とりあえずはやってみることの繰り返しが、

     できるようになる、成功への近道なのですが、


     そこで邪魔をするのが、“人の目”です。


     「 失敗したら笑われるんじゃないかな?」

     「 ちゃんとしたものを作らなくちゃ恥ずかしい 」


     という、これらの気持ちは、

     今までの、 ‘ できばえ ’にこだわらなかった時期には
     感じることのなかった気持ちです。

     人が自分のことをどのように思うか…

     自分の気持ちとは異なる、相手の気持ちに思いをはせること、

     自己中心期から脱して、成長する過程で見られる光景です。


     そういう時期だということを、
     周りの大人が理解せずに、

     「 失敗を恐れずにやってみる 」

     ことをすすめても、

     デリケートな子ども心は動かないどころか、

     かえって逆効果で、
     その活動から逃げる、避ける、嫌いになる


     という結果になりかねません。


     「 ギザギザにしたいよね? 」

     「 ギザギザにならなかったら、冠じゃない、何か他の飾りに
       してみる? 」

     「 たくさん飾りができたら、屏風に飾ろう 」
などなど、

     “ 失敗 ” は “ 失敗 ” ではなく、
     成功するための練習として、

     それをもまた楽しむ空気感を周りを含めて作り出すことが、


     動こうとしない子どもが、


     「 やってみようかな 」


     と思える大切なきっかけになります。



     “ 無理矢理やらせる ” のではなく、

     “ 自らやろうとする ” その気持ちを大切に
したいですね。

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