Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 知識 + 知識 = 混乱 』  4歳児



     家を出るときは曇り空だったのが、
     園の最寄駅に着くと土砂降りの雨。



     「 先生の家がある○○は、雨じゃなかったんだよ。
       △△(園がある市)が大雨でびっくりしちゃった 」




     と子ども達に知らせると・・・





     「 知ってる!!
       東京が夜の時はね、
       △△(自分が住んでいる市)は朝なんだよ!!」






     と、Nちゃん・・・。


     一生懸命、友達に教えてあげていた。





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     ということで、今日は・・・



     以前にインプットした日本と外国の時差という難しい知識が、
     地域の名前と天気の差という情報を聞くことで引き出され、

     知識の混乱が起こることについて・・・





     Nちゃんは頭の回転が速く、とてもしっかりした女の子です。

     日本が朝でも、国が違うと夜ということもある・・・
     という話を耳にしたことがあるのでしょう。


     子どもからすれば、
     知識が伴わない‘ 国の名前 ’という漠然とした単語よりも、


     「 えー!!!
       朝なのに、夜のところがあるんだ!!! 」



     という、より身近なことばとその内容の驚きの方が、
     より鮮明に頭に残ったのでしょう。


     そして、Nちゃんにとっては馴染みのない町の名前を聞いて、

     曖昧な知識だけの‘ 国 ’ と ‘ 市 ’ が混ざり、

     ‘ 天気の違い ’ が、
     ‘ 朝と夜の違い ’という以前に頭に残った情報に
     結びついて、


     「 東京が夜の時はね、△△は朝なんだよ!! 」


     という混乱した情報が引き出されました。




     子どもは、初めて知る新しい知識を、
     今まで学んだ知識に無理やりに当てはめて理解しよう
とします。


     自分の知らない知識を知らないこととして受けとめるのでは
     なくて、これまでの知識に置き換えて消化しようします。


     それは、知識としては混乱した間違ったものですが、

     子どもにとっては、間違いとか正しいというのは問題では
     ありません。


     以前にインプットした曖昧な知識を、
     あることばと情報をきっかけにしてアウトプットできたことが
     素晴らしい
ので す。



     間違いとして指摘されて、正しいことを教えられても、
     それは、子どもには定着しません。

     それどころか、

     アウトプットした知識がいつも‘ 間違い ’として
     否定されると、

     ‘ アウトプット ’することに消極的になってしまいます。



     大切なのは、‘ 知りたい ’と思うこと
     そして、
     ‘ 知ったことを別の場面でも引き出すこと ’です。



     思い込んでいてもかまわないのです。
     混乱のままで・・・。




     「 よく知ってるね 」

     「 誰から教えてもらったの? 」

     「 そんな難しいことをどうして知ってるの? 」




     などなど、認めてあげることが大切です。


     そして違う場面で、違う状況で
     その知識をまた引き出すということを繰り返していくだけで
     いいのです。


     その繰り返しによって子どもは、

     ‘ 知りたい ’‘ 教えたい ’( アウトプットしたい )
     という向上心を失わずに真の知識を身につけていきます。



     子どもは、認めてもらって、ほめてもらって伸びていきます。


     また、自分の知っていることを教ることで、
     自分自身も気づいていきます。


     大人は、それを手助けするだけでいいのです。


     ‘ 教えよう ’とか‘ 学ばせよう ’という気持ちが
     表れ過ぎると

     子どもはかえって拒否
します。


     子どもの‘ やる気 ’や‘ 好奇心 ’の芽を摘まないように
     ことばがけひつとにも、心配りをしたいですね。

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