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      『 耐寒遠足の耐えるとは? 』  3歳児



     耐寒遠足で山登りをした。

     年中・長クラスは全行程、自分の足で歩くが、
     年少クラスは山の手前までバスで行く。


     バスから降りてしばらくは元気いっぱいに歩く子ども達だが
     すぐに

     「 疲れちゃった 」

     「 お弁当まだ? 」

     「 お腹へった 」


     という声がチラホラ・・・




     トイレ休憩で少し休むと また元気が出てきて

     「 負けるもんか 」

     と、はりきりだす・・・。




     が、途中 またまた

     「 足が痛い 」

     と言う子ども・・・




     が、山の上り坂になると、さっきまで

     「 足が痛い 」

     「 しんどい 」


     と言っていた子どもがまたまた急に





     「 走った方がしんどくないねん 」




     と言って駆け足で坂を登りはじめた。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


     ということで、今日は・・・



     耐寒遠足の山登りでの
     子どもの気持ちの変化について・・・





     子どもというのは、一日の中でも、少しの時間の中でも

     気持ちがコロコロと変わるものです。


     “ 今鳴いたカラスがもう笑った ”

     ということばもある通り、

     ちょっとした気分転換や環境の変化で
     やる気が出たり、元気を取り戻し
たりします。


     今日の耐寒遠足の様子もまさにそれを表したものです。



     バスに乗っているときは

     ‘ まだかな?まだかな? ’

     と 到着を心待ちにしていた子ども達・・・


     バスを降りたら

     「 やっと着いた!! 」

     「 やったーー!! 」


     と思います。


     山を登ること、バスから降りてからが本番ということを
     知ってはいても、

     ‘ 到着した! ’

     という気持ちが、

     「 疲れちゃった 」

     「 お弁当まだ? 」

     「 お腹へった 」


     などということばになって表れました。



     ただトイレ休憩という気分転換で
     元気な気持ちになった子どもたちです。


     そしてまた歩いて歩いてという時間が続くと
     また疲れた気持ちになって

     「 足が痛い 」

     「 しんどい 」


     と言い出す子ども・・・。



     ただ、山に入って上り坂を見ると、

     負けず嫌いの男児たちは
     俄然元気を取り戻し・・・というよりも

     ‘ 挑戦してやるぞ ’

     という気持ちをかき立てられたのでしょう、

     「 走った方がしんどくないねん 」

     と駆け足になりました。



     ‘ 疲れ ’ と ‘ 元気 ’ がコロコロ入れ替わる
     子ども達ですが、

     これは、体力だけではなく、気持ちの継続時間が
     まだまだそんなに長く持たない子どもの特徴
です。


     みんながみんなこういう様子ではなくて、
     女の子に多いのが、

     「 しんどい 」

     とも

     「 頑張るぞ 」

     とも、何もしゃべらずにもくもくと歩き続けていたり、

     本当に体力がもたない子は
     歩くスピードが極端に落ちたりしてしまいます。


     子どもは気持ちが変わりやすいということを理解できて
     いないと、 子どものことばだけを聞いてただ単に

     「 体力がないな 」

     とか

     「 文句ばかり言って・・・ 」

     とか、

     「 言うことがコロコロ変わって、
       さっき言ったことは嘘だったのね 」


     など、
     子どものことばを否定的に否定的にとらえてしまいます。


     大人は・・・
     こういう子どもの特徴をよくよく理解することが大切です。



     そして、
     子どもがこの‘ 耐寒遠足 ’から学ぶことは・・・

     ‘ 耐寒 ’という寒さに耐えるということだけではなく、

     体力をつけるということ、

     また、

     ある一定の長い時間、
     環境の変化や気分転換がなくても

     ひとつのことに集中する力をつけるということです。



     ‘ 耐寒 ’の‘ 耐 ’は・・・?

     寒さに耐える‘ 耐 ’

     長い距離を歩くことに耐える‘ 耐 ’

     ひとつのことに長く取り組むことに耐える‘ 耐 ’

     ・・・といろんな‘ 耐 ’があるのです。




     子どもの数が減ってきて
     ひとりひとりの子どもに対して大人の手がかかりすぎて

     子どもが‘ 耐える ’経験をあえてすることが難しく
     なってきている今日この頃です。


     ‘ かわいそう ’だから
     あえてそういう‘ 耐える ’経験から遠ざけるのではなく

     将来、‘ かわいそう ’にならないために、いま
     その壁を乗り越えてほしいと願わずにいられません。

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