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![]() 『 理由付け 』 4歳 お弁当のデザートに 柿を持ってきた Aちゃん。 やわらかく熟して甘そうだったが、 本人は やわらかいのが気に入らないのか 「 暑いから やわらかくなっちゃった 」 と。 まるでチョコレートかのように言った。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで今日は… 子どもが表現する理由付けについて… 熟してとーってもおいしそうな まさに旬の柿! ですが、 「 熟する 」 とか 「 食べごろ 」 とか、 まだまだピンとこない年齢だったりします。 やわらかな柿を見て 「 暑いから 」 と理由を話した Aちゃん。 暑さでやわらかくなるチョコレート? それとも溶けていくアイスクリーム? 厳しい暑さが長く続いた夏、 「 あ〜あ やわらかくなちゃった 」 と、残念な思いの経験がよみがえったのでしょうか? 子どもが 「 〇〇だから 」と理由付けをできるようになるのは その結果を生む過程の経験があってのことです。 そしてその状況を表現する語彙が引き出しにあること。 理由付けはまさに成長のバロメーターです。 やわらかな柿を見て 「 暑いから 」 と言った Aちゃんが、 チョコレートがやわらかくなることとは違う、 柿の成長過程に興味を持つのは 暑くても やわらかくない柿を食べるときでしょうか? そのとき Aちゃんは どんな表情でどんな表現をするでしょうか? 子どもは、 「 おいしい 」 とか 「 好き 」 が 見た目で影響されやすく、 糖度よりも好みとして 少しかためを 「 おいしい 」 と表現します。 だとすると… かたい柿を見る Aちゃんの表情は… やわらかな柿を見たときとは違って 晴れやかでしょうか? いろんな状況下でいろんなものを見て、聞いて、触れて、 香って、食べて、 「 〇〇だから 」 と、 理由付けができる経験を積んでほしいですね。 いっぽう繰り返しの日常生活の中だと もう大人顔負けの理由付けができる年齢です。 たとえば 「 片付けをしない理由 」 「 歯磨きが嫌いな理由 」 「 テレビから離れない理由 」 などなど… 「 だって 〇〇だから 」 と ことば巧みに話します。 子どもが 「 だって… 」 から始めると 「 言い訳しないで早くしなさい 」 と ついつい感情的に叱りたくなるのではないでしょうか? そんな時こそ 「 そんなことばももう知ってるのね 」 「 そんな理由が考えつくなんて! 」 と その成長を喜びにつなげられたら 日々のイライラもなくなります。 子どもも自己防衛せずにすむので それ以上 理屈を言うこともなくなります。 そして反対に 「 すごいね じゃあ今度は お母さんが片付けをしたい理由、 〇〇くんみたいに上手に話せるか聞いてくれる? 」 と 持ちかけてみると… 聞き上手にもなってくれます。 理由付けを屁理屈と受け取らず、 ことばの習得と経験の積み重ねの成果と捉えて 子どもも大人もストレスなく過ごしたいですね。 日常生活の繰り返しからの理由付け、 初めての経験からの理由付け、 これからどんな 「 〇〇だから 」 が生まれるか、 聞き逃さずに楽しみたいですね。 「 現象には必ず理由がある 」 by 湯川 学 (ドラマ「ガリレオ」) INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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