EQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
   HOME  |  INDEX  

    
      『 気付き 』    4歳




     初めての縄遊び。


     結んである縄をほどくこと、


     地面に置いた縄をまたいだり跳んだりすること…


     まずは縄に親しむところからのスタート。



     縄をほどくのも一苦労で


     あっちこっち触っているうちにほどけるといった具合。



     「 またぐ 」「 跳ぶ 」 も


     縄を踏んだり、縄のないところを跳んだり、


     意識はしているが、縄はないような自由さ




     縄にいちばん目を向けたのは…


     地面にまっすぐに置いた縄を横に並ぶ友達の縄と比べて



     「 やー! ぼくの方が長いわ!  大人用と違う? 」



     と、長さの違いを発見したとき。



     友達が縄の位置の違いを示すと



     「 あっ そうか! ずれていたんや 」



     と、気付き


     友達の縄の出発点に自分の縄をきっちり合わせ



     「 あっ 同じやった 」



     と自分で解決していた。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



     ということで今日は…


     初めての経験からのたくさんの気付きについて…




     縄といえば縄跳び!


     ですが、


     まずは縄に親しむところからスタートです。



     細いひもなら、触れば触るほどもつれて


     ほどくのは難しいですが、


     縄とびの縄は触っているうちにほどけて


     「 できた! 」 という喜びを感じられます。



     初めての活動の最初の段階で「 できた! 」 体験をすると


     「 初めて 」 の不安や緊張がとけて楽しく取り組める



     ようになります。



     そして今度は地面に置いた縄を


     「 またぐ 」 「 跳ぶ 」 に挑戦です。


     目で見て縄を意識していざ始めますが、


     遠過ぎてまたぎきれなかったり、


     跳ぶことに気を取られて縄のないところを跳んだり…


     身体の動きが、目で見た情報になかなか追いつきません




     縄ほどきも、縄またぎ・縄跳びも


     大人の目からすると


     「 できてない 」 ですが、


     子どもにとっては


     「 できる 」 ようになるための気付きがいっぱいでした。



     縄を見て何度も何度もまたいだり、


     縄を見ずに何度も跳んでいるうちに縄に近づいていったり、


     運動の発達段階によって、身体で縄を捉えていく


     子どもたちです。



     横の友達との縄の長さ比べでも、


     「 長い 」 「 大人用 」 と発見したかと思ったら、


     置く位置のズレに気付いて「 同じ 」 に修正したり…



     これも気付きです。




     手、身体の 「 運動 」 からの気付きに加え、


     頭の 「 体操 」 からの気付きも


     初めての縄遊び経験から得られた、新しい発見
です。




     子どもの活動には大人が決めた 「 目標 」 があります。


     時に大人は


     「 目標 」 から逸れているかに見える、


      「 遊び 」 や 「 遠回り 」を


     無駄な時間と受け取り
ます。



     縄跳びなら「 縄を跳ぶ 」 目標に向けて、


     縄のないところを跳んでいたら


     縄をしっかり見るように促したり、


     長さ比べなんかせずに


     跳ぶ練習をするように注意したり…



     せっかくの子どもの気付きに大人が気付きません



     結果子どもは、


     「 やらされて 」 できるようにはなりますが、


     やらされたことは子どもの中に残りません。



     気付きから自ら行動を変えて できるようになったことの方が


     その活動を好きになり、長く興味も続き
ます。



     遠回りに見える、子どもの「 気付き 」 からの


     行動の変化を待つことは


     最終的に 「 目標 」 に届くと同時に、


     その先も継続的に学ぶ姿勢につながり
ます。




     目標はひとつでも、


     ひとつの活動で得らえる力は、


     「 身体 」 「 頭 」 「 心 」


     全ての成長に及ぶ
ため、


     なおさら子ども自ら伸びる力を見守りたいです。




     時間に追われる大人は待つことがとても苦手です。


     何でも手っ取り早くしたい
ものです。


     我慢して待つのは辛いですが、


     子どもの気付きに気付けたことを大人の成長と喜んで、


     急がずいっしょに伸びていけたらいいのですが…。




     目先の 「 できた 」 よりも


     遠い将来までの 「 できる 」 を


     自らの力で得る
ために!!





     「 人は気づくことからでしか変わらない

       教えても変わらない 」


      by  吉本 哲郎





         INDEX  前号  次号   

Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.