EQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 物語の発展 』    4歳




     雨の好きな生き物を描く。


     カタツムリ、カエル、ザリガニなど、


     思いつく生き物を画用紙いっぱいに描く子どもたち。



     Kくんはカタツムリを描いて、その上から雨を降らせて…


     雨はだんだんだんだん強くなって…


     強く強く、強く強くなって…


     最後には




     「 水たまり 」 と言って







     ぜーんぶ 塗りつぶした








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



     ということで今日は…


     子どもの想像力があふれて


     次から次に展開する物語の発展
について…




     雨の好きな生き物をイメージして


     カタツムリを描き始めた K くん。


     カタツムリが喜ぶように


     雨が降ってくるという物語が画用紙に加わっていきます。



     雨を描いているうちに


     カタツムリだけではなく自分自身も楽しくなってきた K くん。


     楽しい雨ふりが続いて、


     これまた好奇心を揺さぶられる水たまりができました。



     K くんは生き生きとした表情で


     大胆な筆の運びで


     一気にこの絵を仕上げ
ました。



     できあがった画用紙を見れば、



     「 雨の好きな生き物はどこ? 」


     という疑問や


     「 なにをふざけてるの! 」


     という批判、


     「 真っ黒に塗りつぶしてストレスかな? 」


     という心配など、


     ネガティブな気持ちでその作品を捉えるのではないでしょうか?



     子どもの創作活動は、


     結果よりもその過程に成長が垣間見え
ます。



     真っ黒な水たまりの奥には雨が、


     そしてそのまた奥には


     雨が大好きなカタツムリが息づいています。



     K くんの中で、雨の日の物語が発展しています。



     場面ごとに新しい画用紙に表現すれば、


     素晴らしい絵本のできあがり
です。



     一枚の画用紙での表現になったので結果


     塗りつぶしになりましたが、


     隠れた物語に想いを寄せることが


     子どもの想像力や創作活動への意欲を


     深く豊かに伸ばすことにつながり
ます。




     全て描き終わってから子どもに話を聞いても


     子どもは


     「 水たまり 」 のように


     最後に見えるものしか答えないでしょう。



     もしかしたら 「 水たまり 」 じゃなくなっている可能性も


     あります(笑)



     それは、子どもの想像力は瞬間、瞬間に


     五感から取り入れたことやものに影響され


     発展し続ける
から。



     年齢が高くなれば、影響を受けたこととは分けて


     少し前の想像の世界を呼び戻せる
のですが…


     年齢によっては前を振り返ることなく


     物語が次々に展開して上書きされていき


     全く新しい物語が誕生します。



     物語が上書きされていく年齢の創作活動では、


     その過程でのストーリー展開に目を向け耳を傾け


     心を寄せて、その過程を共に楽しみたい
ですね。




     子どもたちの想像力と創造力の


     大きな成長を応援
できますように!





     「 短編を書く秘訣の全てをお教えしよう

       こうだ

       ルール その 1 は、自分自身が楽しめるような物語を書け

       ということ

       ルール その 2 は、ない 」


       by オー・ヘンリー





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