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![]() 『 客観視 』 小学4年生 読売新聞掲載 こどもの詩 より 「 こっせつ 」 人さしゆびの ホネがおれた いたい いたい だれか かわってください おれた指もかわいそうやけど となりの指もかわいそう あせかいても あらってもらえへんもん 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで今日は… 感情のコントロールと客観視について… 小学4年生の男の子の、 激しい痛みを訴える感情と 折れた指の隣の指を冷静に見つめる眼が あまりにも自然に共存していて とても引き込まれました。 「 わかる わかる 」と すごく頷きながらも同時に、 痛いときに痛くない指のことを表現する その視点の切り替えは なかなかできることではないなあと感心しました。 新聞掲載から日は経つのですが、 その、感情と客観視というふたつの声が 絶妙に合わさった味わい深さがずっと心に残っていました。 誰かに代わってほしいほど痛い思いをしているとき、 その辛い思いに支配されがちになるものです。 なんてぼくはかわいそうなんだろう… あの時あんなことしなければよかった… みんなはあんなに楽しそうなのに… と、後ろ向きなことばかり考えてしまいます。 気分がふさぎ、何をする気も起こりません。 が、この男の子は… 痛みを訴えながらも、 汗をかいても洗ってもらえない、骨折していない指を 客観視できている… 痛い、苦しい、辛い…といった感情にではなく、 痛くない指がかわいそうだと、 異なる現状に冷静に眼を向けることができています。 この平常心は、この骨折の辛い状況も、 また他のあらゆる困難な場面に出会ったときも 乗り越えていく力につながります。 感情に振り回されると何をする気もなくなり 行動も思考も停止状態になります。 ただただ虚しく時間だけが流れていきます。 逆に現状を客観視できると 思考が働き最善の行動がとれるようになります。 どんなトラブルをも跳ねのけることができます。 この夏の高校野球は、 慶応高校が 107年ぶりの優勝を成し遂げました。 「 エンジョイ ベースボール 」 を掲げ、 辛く苦しい練習に必死に耐えて勝つという 高校野球のイメージを見事に変えました。 その慶応高校が取り組んでいたのが 「 スーパーブレイントレーニング 」 です。 それは、苦しい場面でも平常心を保って 打開策を見出す心の持ちようを脳から鍛えるトレーニング! 試合前、慶応高校の選手たちは、 優勝してマウンドにみんなで集まって 校歌をうたってアルプス席に挨拶に行くという姿を イメージして臨んだそうです。 また優勝という良いことに加え、最悪な事態もイメージして、 どんな展開になっても全て想定内と割り切って 慌てることなく平常心でいつも通りのプレーができるように トレーニングしたそうです。 だから苦しいときでも笑顔で野球を楽しめた… 新しい、そして感動的な姿でしたね? 感情のコントロールといってもそう簡単ではありません。 が、その感情の原因となる行動や思考を 良いイメージでコントロールすることで 感情もコントロールできるようになります。 骨折の指から、痛くはない他の指に気持ちをシフトして 冷静に捉えられるこの小学 4年生の男の子は、 トレーニングをせずとも、 この辛い状況にへこたれることなく 楽しい時間を作り出していかれるんだろうなと感じました。 年齢を重ねれば重ねるほど、 諦めというか、 良いイメージに対する猜疑心というか、 ネガティブな感情からの切り替えが なかなかできなくなるように思います。 でも、子どもたちは違います。 諦めないし、挫けない、 引きずらないし、できないと決めつけない、 そんな子どもたちからまだまだ教えてもらうことが たくさんたくさんあります。 子どもの声に耳を傾け、 たくさん学びたいと改めて思いました。 「 逆境も心の持ちようひとつで、 順境たらしめることができる 」 by 高橋 是清 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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