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![]() 『 経験からのイメージ 』 4 歳 劇遊びに向けて 「 小人とくつや 」 の うたをうたった。 ♪ 「 針で すいすい 」 と くつをつくる歌詞のところで 子どもたちは… 床に寝転がって… 泳ぎ始めた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで今日は… 経験からのイメージについて… 「 すいすい 」 といえばやはり 針ではなく泳ぎを連想する子どもたちでした。 かわいい表現におもわず、 「 そりゃそうだ 」 と笑ってしまいました。 運針の経験がない子どもたちです。 その子どもたちが 「 すいすい 」 と聞いてイメージするのは 「 泳ぐ 」 様子です。 自分は 「 すいすい 」 泳げなくても、 大人が泳ぐ様子、 魚や蛙など水の中の生き物たちが泳ぐところを 目で見て、 「 上手に泳ぐなあ 」 と 心を揺さぶられて 「 あんなふうに すいすい 泳げたらいいなあ 」 と、泳ぐイメージが浮かんできます。 「 すいすい 」 という表現につながって。 水の中では上手くいかなくても プールや海に見立てた床では 「 すいすい 」 と 魚になることができるんです。 水族館で見た魚、 身近なところではオタマジャクシや蛙、 金魚やアメンボ… 実際に目で見て感じて 「 泳ぐ 」 という動きに 「 すいすい 」 という表現が当てはまっていきます。 針はというと… 針仕事をしている大人を見たり、 ましてや自分自身が針を持つという経験は まだまだないに等しい子どもたちです。 「 針で すいすい 」 と聞いてもピンときません。 経験がないから。 オノマトペは、 表現する対象を知って、 その動きを見て音を聞いて 感じたまま出てくる表現です。 「 泳ぐ 」 といえば 「 すいすい 」 というのは 「 犬 」 を 「 わんわん 」 と表現するくらい よく耳にして馴染みがありますが、 「 針 」 はというと、 イメージされる表現はあまり定着していません。 経験をしても 子どもひとりひとり受け止め方、感じ方が異なり 表現にも個性が表れるのではないでしょうか。 表現する対象を目で見て耳で聞いて、 匂い、味わい、触れてみる… 五感を通して感じるままの音の表現! 一律にイメージされた表現が定着すると 豊かな表現力への可能性を狭めてしまうように思います。 経験すること、 経験して感じたことをことばにすること ( きれい、怖い、楽しい、悲しいなど )、 そこからイメージされることをまたことばにすること ( ぴかぴか、ぶるぶる、わくわくなど )、 そしてことばでの表現を、 身体表現など他の表現にもしてみること、 それらの積み重ねが、 「 次は何を見つけようかな? 」 という探究心へと深まっていきます。 表現することで 心が解放されて とても気持ちがいいから…。 床で とーーーっても自由に楽しそうに 生き生きと泳ぐ子どもたちのように。 もっともっとやってみたい、 見たい、聞きたい、触れたい、知りたい… 好奇心の芽はぐんぐん伸びていきます。 経験の数だけ知識も知恵も 考える力も判断力も、 想像力も表現力も 大きく大きく育っていきます。 たくさんの経験をして たくさんたくさんイメージをふくらませたいですね。。 「 同じ経験をしたからといって 同じ創意が出てくるものではない 大切なのは、ひらめき、感性なんです 」 by 関本 忠弘 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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