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![]() 『 想像と期待 』 5歳 水族館に行く前日、 水族館には 「 大きな魚 」 がいることを話した。 子どもたちの頭の中では 「 大きな魚 」 の想像がふくらんで、 膨らんで、膨らんで、膨らんで、膨らんで… 当日、大きな魚を含めていろんな魚を見てまわっても、 もっともっと大きな魚を期待していたのか、 「 サメはまだ? 」 「 もっと大きいやつは? 」 と尋ねてくる。 最後には 「 もうおしまい? 」 と、大きいはずであろうと思っていた魚は 子どもには期待はずれのまま終わってしまった。 その中でも一番大きくて良かったのは… 剥製のノコギリエイと言う。 剥製もまるで生きていると 捉えている子どもたちだった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… 子どもの想像と期待について… 大人の感覚では、一般的な魚を基準にして 「 大きい魚 」を「 大きい 」と表現します。 が、子どもにとっての 「 大きい 」は、 魚基準ではなく、 「 知っているもの全般 」が基準のようでした。 その「 知っているもの 」も、 実在する生き物に限らず、ヒーローものに出てくる、 ビルをも踏み倒すような大きな大きな怪獣など、 想像の世界を含めて…でした。 子どもが主体的に参加し、関心を持って取り組むその原動力は、 先のことに対して期待を持ち、楽しみにする気持ちから 生まれます。 「 大きな魚 」を想像して、 水族館に期待を持って楽しみにしていた子どもたちです。 大人でも、大きさだけではなく、広さや高さ、量にいたるまで、 比較することばの解釈は人それぞれ異なります。 ただそれぞれの解釈、想像が実際は期待はずれになったとしても それは全然残念ではなく、新しい解釈の学びになります。 「 そういう捉え方もあるのか 」と。 子どもにとっては特に、それが初めて知る世界だったりします。 「 もっと大きいかと思ったけど、小さかったな 」 「 ノコギリエイが大きかったけど、剥製ってなんだろう? 」 「 それでももっと大きいのがいると思ってた 」 などなど、想像と実際の差をどうしてか?と考えます。 「 水に生きる生物 」「 空に生きる生物 」「 陸に生きる生物 」 などなど、棲むところの違いに気がついたり、 「 実在する生物 」「 絶滅した生物 」「 架空の生物 」 などなど、進化過程に興味を持ったり、 「 肉食 」「 草食 」など、 食べるものの違いに驚いたり、 「 卵 」「 赤ちゃん 」など、 成長過程に目がいったり… 想像していたことが実際のものとは異なるのはなぜ? 期待していた大きさの魚は世界中探してもいない? 気になるところ、不思議に思うところから 「 もっと深く知る 」 ことを求めるようになります。 何物にも変えられない大きな学びですね。 誰かに尋ねようとしたり、 自分自身で調べようとしたり、 「 知りたい 」気持ちが学びの姿勢を育てます。 子どもに「 なぜ? 」って尋ねられたら、 逆に「 どうしてだと思う? 」 と聞き返してみたいですね。 子どもなりの回答は、とても深かったりします。 そこから 「 じゃあ、いっしょに調べよう 」 と、探っていく過程が大切です。 簡単に得られた答えより、 いろんな可能性の中からたどり着いた答え、知識の方が あとあとまで残ると同時にさらなる奥深い知識へと つながっていきます。 想像して、期待して、わくわくしながら取り組んで、 がっかりしたり、喜んだりしながら 新しい世界を知っていく子どもたち! 新しく知った世界が、さらに新しい世界への興味へと広がり、 子どもたちは視野を広げていきます。 「 何かをすることに決めたら、何を期待するかをただちに 書きとめておく。 9か月後、1年後に、その期待と結果を照合する。 私自身これを50年続けている。そのたびに驚かされている 」 by ピーター・ドラッカー INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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