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![]() 『 模倣から疑問へ 』 2歳 ・ 6歳 2歳の女の子のお母さまの話… 「おじいちゃんが指をなめて新聞紙をめくるのを見て、 この子も指をなめてめくるようになった」 と。 一方で 夏休み子ども科学電話相談での6歳の男の子の疑問… 「どうして立つときに 『よっこいしょ』 って言うの?」 「 ぼくは言わないけど、ママ、パパが言う 」 その不思議。 自分にはない大人の言動を受け取る、 2歳と6歳の子どものそれぞれの様子だった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… 子どもの特性である模倣と、 模倣ではなく、不思議に感じて疑問を投げかける、 子どもの成長発達について… 2歳といえば模倣の時期。 じーっと観察してまねをすることで、 自分の行動領域も広がってくるときです。 好奇心旺盛な時期に、新しいことを覚えて大人といっしょだと 思える喜びと、 まねをすることで周りの人が喜んだり笑ったりする、 その喜びと…。 この2歳の女の子がおじいちゃんをまねて 「 指をなめる 」様子には、子どもの特性そのものが 現れていますね。 自分にはない大人の言動をまねして受け取る子どもにとって、 それが、老若男女いずれでも またそれを見た大人が歓迎しないことでも 全く関係なくまねをしたい時期です。 一方、6歳くらいになると、 立つときに「よっこいしょ」と言うママ、パパのそのことばを そのまままねするのではなくて、ふと気付きます。 「 ぼくは言わないのに、どうして言うのかな? 」って! もちろんそこで不思議に思わずに、 知らず知らずのうちにうつって、口癖のように 「 よっこいしょ 」と口にする… なんていうケースもありますが。 この電話相談を寄せた男の子はまねではなく純粋に 「 どうしてだろう? 」と疑問を感じるケースでした。 ふと立ち止まって新しい気付きを得ること、 その発見に不思議や疑問を感じることは大きな成長です。 3歳ころから「 どうして? 」の質問が少しずつ増えて、 答えに頭を抱える方も多いことでしょう。 「 これはなあに? 」 と、初めてのものを見たときにその名前を知りたい時期から 「 それはどうして? 」 と、理由を知りたくなる時期への成長です。 「 これはなあに? 」 の疑問は、新しいものとの出会いから生まれます。 初めて見るもの、 初めて聞くこと、 初めて触れるもの… 「 初めて 」との出会いが多ければ多いほど、 「 これはなあに? 」って知りたくなります。 それと同じで、 「 初めて 」との出会が多ければ多いほど 「 それはどうして? 」の疑問もあふれ出てきます。 今までの経験にないことと照らし合わせて、 「 どうして今まで知らなかったんだろう? 」 「 どうして、わたしはしないのに、あの人はするんだろう? 」 と、不思議を感じます。 不思議の数だけ新しい発見があり、 疑問の数だけ知識は増えていきます。 ちなみに、この6歳の男の子の疑問への回答は… 「『よっこいしょ』と声を出すと、力を出しやすくなるから」 というものでした。 例として、テニスの試合でボールを打つときに 選手が大きな声を上げることを話されていました。 息を吐き出した方が力が出やすいと。 また声を出すと頭の中で 「『立ち上がる自分の様子』がイメージされやすくなるから 」 というものでした。 ただただまねをする時期から、 自分と異なる言動や、自分の中にはない新しい知識に 「 どうして? 」と疑問を持つ時期へと成長する子どもたちです。 時期がくればみんなそういう成長が見られるわけではなく、 よく見てよく聞いて、小さな違いに「 気付き 」を得る経験が あるかないか、 日頃から観察力、洞察力、注意力、思考力… いろんな力を引き出す経験をしているかしていないかで ずいぶん変わってきます。 その力を引き出すには… 新しいものとの出会いを増やすこと! 難しそうに聞こえますが、 たとえば、毎日通る買い物や園への道を少し変えてみたり、 日頃は車を利用する外出時に公共の電車やバスを利用してみたり、 「 できるかな? 」と思っていた手伝いを任せてみたり… 意識すれば、日々の生活の中でたくさんたくさん、 「 初めて 」との出会いを経験できます。 時間に追われる生活の中では、簡単ではないかもしれません。 意識しても、 「 手っ取り早い 」 「 便利 」 「 手がかからない 」 方を選びたくなります。 それを、ちょっびり時間にゆとりを持って 回り道をしてみる日を作っていきたいですね? ただ、無理をすると、楽しいはずの発見も苦痛になってきます。 そんなときは、「 いつもと同じ光景 」の中に 何かひとつでも新しい発見がないか、 子どもの目線に合わせていっしょに探してみたいですね。 子どもたちは、「 発見 」にかけては優れた力を持っています。 「 よく気がついたね 」と、少しの気付きをたくさんほめ たいですね。 子どもたちの 「 どうしてだろう? 」に いっしょに立ち止まって 私たちも「 不思議 」スイッチの感度を呼び戻して いきたいでものです。 「 素朴な疑問を持つ力は、 専門的な知識がありすぎなかったことが幸いしている」 by ココ・シャネル INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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