![]() |
HOME | INDEX |
![]() 『 知らないことば 』 4歳 子どもの頃の記憶… 3〜4歳だった頃のこと。 祖父に 「おごったるな!」 と、満面の笑みで言われて… 「いやや!」 と、泣きじゃくりながら 全身で拒否してしまった記憶…。 祖父が嫌いだったとか、 お腹がすいていなかったとか、 そういうのではないのに… 頑なに断ってしまった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… ことばの受け取り方について… 「おごったる」 と言われて、 泣いて「いや」と断ったのは… 3〜4歳の私は… 「おごる」 ということばを知らなかったからです(笑)。 「おこる」 は知っていても…。 祖父の 「おごったるな」 ということばを、 「怒ったる」 だと受け取った私は、怒られるのは嫌だと、 泣いて全身で断っていました(笑)。 子どもは、知らないことばを知ってることばに変換したり、 知らないことばは飛ばして、知っていることばを拾って イメージして相手のことばを理解しようとします。 祖父に断りを入れたこのケースは前者で、 自分の辞書にない「おごる」ということばを よく知っている「怒る」ということばに変換して 受け取ってしまいました。 ' 知らない ' ことばがある…とは思いもよらない子どもは、 自分が ' 知っている ' ことばが全てで、 自分辞書での受け取り方をします。 一方、大人は… ことばの意味を知ってはいても、いろんな経験から、 その前後のことば、言い回し、表情などなど、 そのことばに含まれる背景まで読み取ろうとして、 そのことばの受け取り方に慎重になったりします。 その結果、受け手によって、 その意味が全然違ってくるということも出てきます。 大人の、背景とか意味合いとかの読み違いも、 子どもの、ことばそのものの読み違いも、 相手とのコミュニケーションの中で 「なんだかおかしいなー!」 「通じないなー!」 と、疑問を繰り返す中で、 相手が本当に言いたいことばの意味を理解していくように なります。 そして、知らないことばがまだまだたくさんある子どもは、 自分辞書にないことばをひとつ、自分辞書に加えていきます。 こうやって新しいことばを学んでいきます。 人はことばで考えます。 ことばにして初めて思考されるということ… 語彙の豊かさはそのまま、 “ 考える力 ” となります。 初めての経験を重ねればその経験に伴うことばを学びます。 表情やその背景を含めた、 人それぞれ異なる “ ことば ” の受け取り方もまた、 たくさんの経験と同じようにたくさんの人との出会いの中で 引き出しが増え、 引き出しが増えたら増えた分だけ、 相手と気持ちがズレない関係性を作り上げていくことが できるようになっていきます。 時には行き違いもあったりで、 新しい発見の連続ですが… それもまた楽しむようなゆとりを持ちたいものですね。 「 他人の考えで正解するより、自分で考えて間違うほうが、 楽しい 」 by 中谷 彰宏 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
|