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      『死ぬ』  4歳



     4歳の一卵性双生児の女の子と2歳半の男の子
     のお母さま、Kさんからのメールです。


     《ー略ー

      今回は質問をさせてください。

      「死ぬ」という言葉についてです。



      子どもたちが遊びの中で非常にこの言葉を使います。

      今のところそれに関してどう接したらいいのか
      わからなくて注意もしていません。

      まだ、「死」について語るには難しいとも思います。

      でも、正直

      「あ、まりーちゃん(ぬいぐるみ)死んじゃったよ」

      とか、

      パパと戦いごっこをしていてパパが死んだふり(?)
      をすると

      「パパが死んじゃったからママ見に来て」

      と笑いながら言われると、いい気持ちはしません。



      私が神経質すぎるのでしょうか?
      パパはそういうことはあまり気にしないようです。  


      「バカ」という言葉や多少の汚い言葉については   
      私も使うときもあるので

      「あ、この言葉はよくないね」

      と、お互いに注意しあいながらあまり使われると   
      気持ちよくない言葉だという認識だけ持たせて
      絶対に使ってはいけないという風にはしていません。


      「死」という言葉を軽々しく使うのはどうかと
      思いながらも、

      大人も子どもが危ないことをすると

      「死んじゃうよ!」

      といいます(私も実際そうです)。

      でも、これって子どもは「死んじゃう」ことに対して
      恐怖はないですから、ちょっと伝わりにくい表現だなと
      思うことがあります。

      でも、自然と出てきてしまうような言葉です。
      一応付け加えて

      「死んじゃうと○○ちゃんと会えなくなって
       ママは寂しいから」


      などというのですが   ん〜。



      まあ、そんなやり取りのなかで色んな言葉の意味を
      覚えていくのでしょうが・・・・。

      そして、子どもは聞いた言葉は使ってみたいと思うので
      しょうが・・・。


      小さいうち色んな言葉をどんどん使ってみたほうがいい
      のかな・・・?   ・・・・略》





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


      ということで、今日のことばは・・・



      「死ぬ」



      とても難しい「死ぬ」ということばのご質問ですが、
      これは本当に敏感な問題ですよね。


      4歳という年齢で「死」の意味を現実的に受けとめるのは
      とても難しいですね。

      この年齢では、たとえば身近な「死」は・・・、

      絵本の中とか、テレビの中のことで、
      それこそ、「想像」の世界のことになりますね。


      中でもたとえば、勧善懲悪で、正義の味方が悪者を
      やっつけて悪者が‘死ぬ’というものが多いですよね。


      ごっこ遊びでも子ども達は、たとえば狼をやっつけて

      「狼が死んだよ」

      なんてよく言います。



      戦いごっこをしてならなおさら、

      「パパが死んじゃった」

      という‘パパ’というのは、戦いごっこの中のパパで、
      現実のパパではないんですよね。

      ぬいぐるみのまりーちゃんにしても、ごっこ遊びの中での
      想像の世界のことではないでしょうか?
      (どんな時におっしゃったのか状況がわかりませんが・・)



      そういう想像遊びはとても大切で、

      4歳といえば、自己中心性から抜け出すいちばん大切な
      時期ですね。

      たとえば、病院ごっこで、お母さん、つまり大人が
      患者さん役になっても

      「ハイ、これはイチゴ味のお薬ですよ」

      なんて、言ったりします。
      これが、5歳くらいになると、本当の薬のように、
      おはじきなどを袋に入れて、

      「これは、ごはんの後にのんでくださいね」

      なんて言うようになります。


      まだまだ、自己中心性からぬけきらない時期は、自分の
      いいように物事を考え
ます。
      そんなに深く受けとめられなくても大丈夫です!

      とても自然な対応をしておられると思います。



      これからたとえば、大切に育てていた小動物や飼っていた
      生き物(金魚、ひよこ、文鳥など)などなどの
      ごっこではない本当の「死」に直面した時に、

      その生き物につけた親しみのある名前を呼びながら
      泣いたり・・・、

      寂しくて、悲しくて、何とも心にポッカリ穴があいた
      ような経験をしていく中で、本当の「死ぬ」という意味を
      感じとったり・・・、


      たとえば、ニュースで放送される、今なら、
      地震での幼い子どもの死とか、

      それこそ、テロや戦争での「死」など、取り上げながら、

      「死んじゃうと○○ちゃんと会えなくなって
       ママは寂しいから」


      というおことばを、この優しいお言葉をそっと言って
      あげられたら、

      そして、その家族がどんな思いをしているかも、

      ‘ママの気持ちと同じ’

      だと感じ取ってくれれば・・・・、

      嬉しいですね。


      こういうことに関しては、年齢が小さいからわからない
      とかではなくて、その都度その都度、話して聞かせたいと
      私自身思っています。

      年少クラス(3才児)でも、社会情勢に興味を持ち、
      小さな子どもの誘拐事件や、自然災害でもそうですが、
      その子なりにきちんと受けとめているものです。


      そんな時に、「死ぬ」ということがどんなことかという
      のは、ママの気持ちそのものをぶつけて話してあげたら
      と思います。


      本当に難しい問題ですよね。
      デリケートでもありますし・・・。

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