Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 正解のない表現 』  4歳



     紙粘土で動物を作った。

     象を作る子は、

     「 口はどこ? 」と戸惑い、鼻を全部赤くして口に見立てたり、

     サイの目がどこにあるかわからずに手がすすまなかったり、

     「 きりんさん、模様ないよ 」と言ったり…


     実物を思い返しながら

     忠実に表現しようと苦心していた。

     一方、恐竜を作った子は、自分の思うように模様を入れ、

     色も賑やかな色に仕上げ
ていた。





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     ということで、今日は…


     子どもの、正解のない表現について…




     見たことがある馴染みの動物を作ろうとすると、

     正解を気にして

     「 こう? 」

     「 これでいいの? 」

     と、確認ばかりして手がすすまない子どもたちですが、

     受け取り方の幅が広い恐竜などは作りやすいようで、

     正解に縛られることなく自分のイメージで表現
していました。

     象やサイ、きりんは動物園で見たこともあるし、

     テレビでも絵でも見ている子どもたち。

     なのになのに、いざ作ろうとすると

     「 口はどこ? 」

     「 目は? 」

     「 模様なんてあった? 」


     などなど、表現しようとしても思い返せません。


     関心があるものに対しての観察力は鋭く

     動物に関心がある子は

     「 よくそんな細かなところに目がいったね? 」

     という表現をしますが、

     動物ではなく、乗り物に関心がある子、食べ物に関心がある子、

     虫、花、天体…

     興味の対象は様々です。

     好きなものを見る目は深く鋭く、細かなところにまで

     わたり
ますが、そうでもないものはあまり印象にも残りません。

     好きなものをたくさん作って観察力を育て知識も増やして

     いきたいところですが、

     「 正解 」ではなくても想像力を働かせて作るのも表現力

     恐竜をのびのびと表現した子のように、観察からだけではなく

     想像力からの表現を楽しむようになればいいですね。


     「 本物を作りたい 」けど、

     「 本物 」の姿、形があやふやで手がすすまないときは、

     イメージを楽しく表現したい
ものです。


     また、好きなものを増やして関心を寄せるには周りの大人が、

     「 口はここ 」

     「 色はこの色 」

     「 模様はこんな模様 」
正解を教えるのではなく

     「 調べてみようか 」と、

     図鑑や絵本、いろんな媒体で子どもと同じ目の高さで

     いっしょに関心をもって見る
ことが一番ですね。


     私自身、象の口も、サイの目もきりんの模様も

     正確に表現する自信はまったくありません。

     子どもといっしょに、

     「 どんな口かな? 」

     「 どんな模様だろう? 」
と、興味を持って調べたいと

     思います。

     すると子どももまた、

     「 教えてあげたい 」と、はりきって調べます。

     調べたり、知りたいと思う最大の動機、興味を持つきっかけは、

     自分のためではなく、誰かを喜ばせたいという思い
です。

     それが大好きなお母さんや家族のためならなおさらです。

     子どもたちの表現はたとえ正解ではなくても、

     そこにいたるまでのいろんなストーリー、思いがある
からこそ

     心惹かれるのでしょうね?

     動物博士や虫博士など、好きだからこそ観察力を発揮しての

     表現も、

     正解ではなくても、「 こんな模様だったら楽しいな 」と、

     想像力を発揮しての表現も、

     その背景はさまざまで楽しいものです。


     表現活動に苦手意識を持つのではなく、

     子どもたちが生き生きと表現できるように、

     子どもといっしょに学ぶ姿勢を持ち
たいですね?





     「 正解はこれしかないと決めつけるから辛くなる

       これが幸せだと決めつけるから

       そこにたどり着けない人が苦しむことになる 」


      by  萩本 欽一





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