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![]() 『 来年のクリスマス 』 年長 クリスマス会の朝。 「 サンタさんはもう出発したかな? 」 と、どことなくそわそわしながらも満面笑顔の子どもたち。 クリスマスプレゼントへの思いも強く、 「 去年は○○だったけど、今日はなにかな? 」 と想像するのも楽しくてしようがない様子。 クリスマス会も終わりが近づいてきたとき… サンタさんとの会話で 「 また 来年会える 」 ということばが出ると Mくんがぼそっと言った。 「 もう ぼくたちはいない! 」 と。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… 去年、今年、来年と 未来の見通しにつながる経験の積み重ねについて… 年長児でも 「 明日、お父さんと釣りに行った 」と、 未来の「 明日 」に「 行った 」という過去形をつけて 話す子がいます。 目に見えない「 時 」の概念を「 ことば 」にするのは なかなか難しいものです。 特に未来のことを想像して相手に伝えるのは 子どもにとっては難しいことです。 昨日、今日、明日という時間の経過も 去年、今年、来年という大きな流れも 過去の経験の記憶から、現在を受け止めたり、 未来を想像できてくるようになります。 そしてそれが「 ことば 」ともつながってきます。 去年のクリスマスプレゼントをとてもよく記憶していること、 それを思い起こして、今年のプレゼントが何かを想像すること、 何より、来年のクリスマスにはもう小学校に行ってしまうから 園に来るサンタクロースには会えないだろうということ… 何れも去年の経験があるから、 イメージできる子どもたちです。 経験があってそれをベースに見通しを立てて想像したり、 行動ができるようになります。 「 来年、サンタさんが来ても、ぼくたちはもういない 」 と、ぽつりとつぶやくMくん! 小学校に行く自分たちをイメージして、 サンタさんに会えないのは寂しいという気持ちまで 表れていました。 経験から予測を立てて先を見通す… まさに「 考える力 」が育ってきている子どもたちです。 小学校にサンタクロースが来るかどうかは知らないし、 プレゼントも最後かもしれないし、 経験がゼロの小学校のことは、見通しも立ちません。 ただ、自身の経験がなくても、 お兄さん、お姉さんから聞いた話など、 「 聞いている 」ことが 「 知っている 」こととなって 自分の中でイメージをふくらますこともできてきます。 行ったことがない場所、 見たことがない景色、 会ったことがない人も 人から聞いた話、絵本の世界など… 間接的にでもそこからイメージを広げられるようになります。 一年、一カ月、一週間、一日、1時間、1秒… 先の見通しを立てること、想像すること、 それらは経験の積み重ねから! 「 初めて 」の経験で 「 知る 」ことができます。 「 知る 」ことができれば 「 できる 」ことが増えてきます。 「 できない 」ことに目を向けるのではなく、 「 できる 」ことに意識を向けると 「 もっともっと 『初めて』 を経験させてあげよう 」 という気持ちになります。 そう思えば、 来春からの小学校生活の中での 「 初めて 」 も 「 できなかったらどうしよう 」 という不安ではなく、 「 できるようになるための 『初めて』 をもっと楽しもう 」 と、子どもだけではなく、 周りの大人も思えてくるのではないでしょうか? そして、「 初めて 」の経験で、想像が難しいことに関しては 「 来年は、サンタさんに会えなくなるのかな? 」 「 サンタさんに会うにはどうしたらいいんだろう? 」 と投げかけてみてはどうでしょう? またまた子どもワールドな素敵なことばが 返ってくることでしょう。 「 未来は過去の集積によって出来るものだっていうのを 忘れてはいけない 」 by 米津 玄師 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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