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      『 苦手意識 』  小学3年生



     冬休みも残りわずかというとき…

     小学3年生の男の子に

     「 宿題、終わったの? 」

     と尋ねた。

     すると、

     「 終わった! 」との返事!

     一番最後までかかった苦手な宿題は何かを尋ねると…

     返ってきたこたえは…



     「 引き算 」だった。





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     ということで、今日は…


     子どもの成長に伴う苦手意識について…





     なかなかはかどらない宿題は

     「 読書感想文 」「 絵日記 」

     という子どもが多いなか、

     この3年生の男の子の苦手は、

     「 作文 」ではなく、「 引き算 」でした。


     引き算と違って答えがなく自由に書くことができるという面で、
     作文は気持ちが楽な様子!

    「 答えがない 」課題は、
     自分で経験して感じたこと、考えたことを表現する力が必要です。

     この男の子とは反対に、
     ひとつの答えを求める方が得意な子もいます。

     ひとつの答えを正確に出す課題は
     数の概念を理解した計算力が必要
です。


     幼児期は
     絵を描いて、その絵のストーリーを生き生きと語る子も

     小学校に入学してひとつの答えを出す学習を繰り返す中で

     「 正解 」 か 「 間違い 」、

     「 ○ 」 か 「 × 」 に意識が向かうようになり


     正解がない課題にも、

     「 これであってるのかな? 」

     と、自信がなくなってきます。

     自分の考え、表現にも「 ○ 」 か 「 × 」 があるような
     気持ちになり
ます。

     そうなると生き生きとストーリーを語っていた幼児期の姿は
     影を潜め、

     「 わからない 」「 できない 」ということばを発するように
     なります。


     計算問題、特に引き算に苦手意識を持つ子どももいますが、
     作文への戸惑いとは異なり
ます。


     引き算の苦手意識の克服には、
     「 簡単 」に解けていたところに立ち返り、

     基本の復習と徹底から今一度取り組むと克服につながり
ます。

     たとえば、繰り上がり、繰り下がりの前の

     10の数の合成・分解、

     九九の徹底と意味などなど。


     が、「 作文 」 への苦手意識の克服は

     立ち返りではなく、経験の積み重ね
にあります。

     感じたことを口に出して表現し、

     表現したことを文字に表す〜

     書いた文字を目で見て、口に出して読んでみる〜

     この繰り返しで、

     自由な表現への苦手意識はなくなっていきます。

     自由な発想、表現に自信がつくと、
     もっと異なるストーリーを楽しみたくなって

     もっと本を読みたい、

     もっと友達や先生の話を聞きたい


     と思うようになります。

     そこからまた自分なりの想像や思考をふくらませることが
     楽しくなってきて…と、

     得意がますます得意になっていきます。


     この小学3年生の男の子のように、
     「 自由な発想 」に苦手意識を持たない子は

     ことばでの表現は、
     幼児期のように生き生きと展開できます。

     ことばでの表現を文字、文章で表わすには

     算数と同じで、基本に立ち返る必要がありますが、

     ここがハードルになるというより

     その前の発想、感想、思いの段階での躓きがほとんど
ですね。

     

     「 算数が好き 」

     と言う子と

     「 国語が好き 」

     と言う子と

     対極のような捉え方ではなく、

     いずれは「 科目 」の境目がなくなるといわれている、
     教育の変換期


     まずは、子どもの豊かな想像の世界のストーリーに耳を傾け、

     その中での不思議や疑問に共感して

     他の類似と比較したり、

     関連付けたり、

     異なる点の理由付けをしたり…

     「 ああだこうだ 」 と話して考えて

     考えて話してを一緒に繰り返していきたいですね。

     その過程が、作文力にも計算力にもつながり、
     力が培われ
ていきます。


     幼児期の子どもたちの

     「 どうして? 」

     「 なぜ? 」


     とことん付き合って深めていきたいですね。





     「 教科書に書いていることが正しいことばかりじゃない。
       疑うことが大事 」

       by  本庶 佑





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