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![]() 『 なりきる想像力と創造力 』 4歳 まだまだ寒い日が突然やってくる。 女の子 数人は、あやとりの毛糸を持って ストーブのすぐそばに椅子を置き、 寒そうにあやとりをしている。 「 おばあさんみたい 」 と言われると、 反論してストーブから離れるかと思いきや… 余計に喜んで、背中を丸くして おばあさんになりきる子どもたちだった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… どんなことばやシチュエーションからでも そこから遊びを創り出す、 子どもの想像力と創造力について… 子どもは風の子〜 少しくらいの寒さもはねのけて遊びますが、 いま、あやとりに夢中な子どもたちは ストーブの前に陣取ります。 あやとりをしながらも 「 おばあさんみたい 」 ということばを聞くやいなや おばあさんになりきる子どもたちです。 自分以外の人になりきる、ごっこ遊びが大好きです。 身近なおばあさんだけではなく、 絵本に出てくるおばあさん… いろんなおばあさんを想像して なりきります。 丸い背中、「 やれやれ 」という言葉遣い、 外見やことばから入り、 4〜5歳にもなると、 ' おばあさんの気持ち ' = 内面 も 考えるようになります。 自分以外の人になりきることで、 本当は子どもだけれども、大人だよ! 本当はできないことだけれども、できるんだよ! と、想像の世界で、新しい人物像を創り出し、 自由に楽しみます。 自分の年齢をネガティブに受け止めている大人は、 「 おばあさん 」 ということばを聞けば、 ショックを受けたり反論したりしますが、 何事も遊びに結びつける子ども達は、 ひとつのことば、ひとつのきっかけ、 それだけで新しい遊びへと発展させていきます。 子どもは遊びを創造する天才ですね。 特に、自分以外の人になりきるごっこ遊びは 自分以外の人への関心につながります。 自分以外の人の気持ちにまで思いを巡らせ、 思いやりの心も育ちます。 寒くても元気いっぱいの子ども達が、 雪を見ると おおはしゃぎな子ども達が、 「 大人 」 は、「 おばあさん 」 は、 ちぢこまって、雪にも はしゃがない… 今まで見たり聞いたりしてきた経験から想像して 落ち着きはらった大人を演じます。 実際には、なかなかその人の気持ちになるのは 難しいことです。 楽しみな目的地を目の前にして走り出す子どもが、 ゆっくりしか歩くことができない家族に対して 「 早く!早く! 」 と急き立てて、 「 しんどいから走れないよ 」 と言われても 「 なんで? 」 と、理解できません。 ごっこ遊びの中では、 ゆっくりな動作で 「 おばあさん 」 を再現しても 日常生活の中では、自分の気持ちが優先されるのは当たり前! それが子どもです。 けれども、充分にごっこ遊びを楽しんだ子どもたちには、 「 大丈夫? 」 と心配したり、 優しく手を引いたり…思いやる心も見られます。 豊かな想像力で自分以外の人物を創造して 優しさや、より幅広い対応力につながりますよう、 ご家庭でも、時には相手役になって ごっこ遊びをいっしょに楽しんで下さいね。 「 仕事に関係ない遊びを持っていますか。 遊びにこそ、知性が求められる 」 by 中谷 彰宏 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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