EQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育

ＨＯＭＥ　　｜　　ＩＮＤＥＸ

『 見通し 』　　4歳 　　　　　身体測定でのこと。 　　　　　服を脱いで準備をするが… 　　　　　ボタンが かたくて外せない子、 　　　　　トレーナーの首まわりがきつくて脱げない子… 　　　　　手助けがいるのはそれくらいで 　　　　　あとはひとりで脱いで、 　　　　　脱いだ服を自分できちんとたたんでいく子どもたち。 　　　　　裏返った服を元に戻してたたむのも慣れてきたようで、 　　　　　裏返ったまま、たたもうとする子はいない。 　　　　　ただ、 　　　　　裏返った服を一生懸命、表向きにして 　　　　　やっと表向きにできると嬉しくて 　　　　　そのまま また、脱いだばかりの服を一生懸命、 　　　　　着ていた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 　　　　　ということで、今日は… 　　　　　ひとつのことをやり終え、達成感を感じると 　　　　　最初の目的や見通しなど、 　　　　　頭から消えてしまうことについて… 　　　　　3歳なら3つ先のこと、 　　　　　4歳なら4つ先のこと、 　　　　　そこまで見通して行動ができるようになる子どもたちです。 　　　　　また、そうできるように、少し遠い先までの予定を知らせ、 　　　　　自身で見通しだった行動ができるようにもっていきます。 　　　　　小さなときには… 　　　　　予想される混乱や戸惑いを大人が見通して細かな指示を、 　　　　　大きくなったら… 　　　　　最終目的を頭におき、 　　　　　そこにいたるまでの順序だった行動を示すと 　　　　　子ども自ら見通しを立て、考えて行動できるようになります。 　　　　　ただ、その過程で少し難しいことに集中して取り組むと、 　　　　　それが最終目的となって、 　　　　　「できた！」(裏返った服が、ちゃんと戻った) 　　　　　という達成感と同時に、 　　　　　その先の目的を忘れてしまいます。 　　　　　これは子どもに限ったことではなくて、 　　　　　大人でもあることですが…(笑)。 　　　　　教室に入ったら、 　　　　　�@ 出席ノートにシールを貼って、 　　　　　�A かばんを所定の場所にしまって、 　　　　　�B 活動に使うクレヨンを出して、 　　　　　�C 好きな色の画用紙を選ぶ… 　　　　　「当番カード作り」という目的を頭に入れての見通しですが、 　　　　　入室後のやるべきこと(�@・�A)がルーティンになっていると、 　　　　　その先にある目的に向かって 　　　　　見通しを立てた行動がスムーズにできてきます。 　　　　　が、一方で、 　　　　　カラフルな画用紙を目にしたとたん、 　　　　　シールを貼ることも忘れ、かばんも放り投げて、 　　　　　クレヨンの準備もせずに画用紙に飛び付く子もいます。 　　　　　これは、目に入ってきたカラフルな画用紙に興味がいき、 　　　　　あとのことが頭から飛んでいってしまう… 　　　　　これもまたよく見られる様子ですね。 　　　　　≪初めて見るもの≫ 　　　　　≪日常的になっていないこと≫ 　　　　　が、経験と共に減っていくこと、 　　　　　また、いろんなことができるようになって 　　　　　≪達成感≫を感じるラインが、 　　　　　より高く、より難しくなってくること、 　　　　　そうすれば、 　　　　　最終目的を忘れたり見失うことなく 　　　　　行動ができるようになってきます。 　　　　　簡単にできることよりも、 　　　　　少し背伸びやジャンプして届く目標に 　　　　　子どもたちはやりがいを感じ、挑戦したいものです。 　　　　　そして、「できた」喜びが、 　　　　　次の難しい課題に取り組む意欲へとつながっていきます。 　　　　　≪まだまだ難しくてできないだろうから…≫ 　　　　　と、すぐに手を貸したり、 　　　　　目標を見据えた見通しを立てる習慣がなかったら… 　　　　　少しの躓きで 　　　　　「できない！」 　　　　　と諦めてしまうようになります。 　　　　　小さな達成を積み重ねた先の目標、 　　　　　失敗や躓きも想定内のこととして乗り越えてたどり着く目標、 　　　　　そこまでの見通しを立てて、 　　　　　ひとつひとつ、 　　　　　できないことができるようになっていく子どもたちです。 　　　　　「 私はいつも自分のできないことをしている。 　　　　　　 そうすればできるようになるからだ 」 　　　　　　 by  パブロ・ピカソ 　　　　　 　　　INDEX　　＜前号　　次号＞　　　　 Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.