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![]() 『 右手と左手の協応 』 4歳児 柿採りに行った。 柿の採り方について ・・・ 「 引っ張ったらいいねん 」 「 ハサミで切ったら? 」 といろいろ提案する子ども達。 年少クラスの時に経験している子は 「 ぐるぐる回したら採れるんだよ 」 と、よく覚えていて友達に教えていた。 いざ、柿を目の前にすると、 右手にひとつ、左手にもひとつ、 両手に柿を持って、ぐるぐる回そうとしたり、 片手だけで引っ張ろうとしたりする子どもたち・・・。 採り方について話はしていても、 片手で枝を持って、もう片手で回して採るという両手の働きは 充分にできない子ども達であった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は・・・ 右手と左手の協応について・・・ 4歳ともなれば、利き手はもう決まってきています。 鉛筆で書く、はさみで切る、箸で食べる・・・などなど、 利き手で道具を使って、目的を達成していくこともできます。 が、利き手ではないもう片方の手は・・・というと・・・ 利き手の力の入り具合を示すかのように同じように力が入って かたまっていたりします。 書く時に、紙を押さえずに書く、 切る時に、紙の向きを変えて方向転換できない (利き手のはさみを動かして方向転換しようとする)、 食べる時に、器を持たない・・・ などなど、 右利きの子は左手を、 左利きの子は右手を、 同時に違った働きで使うことが難しいのです。 このように右手と左手、目と手など、二つの力を 同時にかみあわせながら使うことを『協応』というのですが、 協応動作は子どもにとってとても難しくもあり、大切な働き でもあります。 柿とりは、左手(利き手ではない手)で枝を支え、 右手(利き手)で柿をぐるぐる回して採るという 右手と左手の協応動作で、 柿採りが初めての子どもは、 柿を採るのにどれくらいの力がいるかということもわからず、 片手で引っ張って採ろうとします。 3歳の時に経験している子どもたちは、 苦労して柿を採っている子どもを横目にしながら 右手と左手を上手に使って、柿を採っていきます。 できないことを 『 できる 』 ようにするためには、 いま使っている力とは異なる、他のどの力(どの器官)を どのように使うとよいのか、『 経験 』 していく中で、 自分自身でつかみとっていきます。 「 初めて 」 のことはできなくても、経験すればできるように なります。 が、その 「 経験 」 の環境は子ども自らが作るという ことは難しく、 周りの大人が、「 初めて 」 の 「 経験 」 ができる環境を 準備してあげることが大切になってきます。 「 経験 」の数だけ「 できる 」ことが増え、自信につながり、 その自信が、‘ 積極性 ’ や ‘ やる気 ’ を育みます。 発達途中のいろんな器官、機能を使うことは子どもにとっては とても楽しいことであり、とても意味のあることです (歩き始めた子が歩きたくて歩きたくて歩こうとしたり、 話始めた子が話したくて話したくてずーっと話していたり することと同じ)。 大人は、当たり前にできて、 その動き、働きに意味があることを見過ごしてしまいがちですが、 子どもにとっては、その当たり前がとても難しいということを 頭におき、イライラするのではなく、 また、こたえを与えてしまうのではなく、 環境を用意したら、そのあとは、 子どもが、『 できる 』 ようになるために繰り返す 試行錯誤を、しっかりと見守ってあげたいですね。 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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