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      『 好奇心 』  5歳児



     つかまえた蛙を 5匹持ってきたNちゃん。

     大きな観察ケースに入れ替えようとしたが
     少し怖くて


     「 キャー 」


     と声を上げた。


     「 怖いのに、よう つかまえたな 」

     と男の子にからかわれると、

     「 だって 網でつかまえたもん 」


     と ・・・。


     怖いながらも、男の子に助けてもらいながら
     蛙を大きな観察ケースに移していく。


     遠くで、興味深げに見ていた周りの子ども達も、
     蛙が飛び出すたびに


     「 キャー 」

     と逃げ回っていたが・・・、


     全部移してケースを閉じると安心して近付き、
     ケースをトントンとつつきながら


     「 ゲロゲロ 鳴いて 」



     と、一生懸命話しかけていた。





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     ということで、今日は・・・



     蛙を見たい、どんな様子か知りたいという好奇心と、
     触れるのは怖いという恐怖心について・・・




     興味はあるけれども怖い・・・
     触れることができない・・・

     これは、年長児の様子です。


     年中のときは‘ 怖い ’という気持ちより好奇心の方が強く、
     女の子でも平気で触れていましたが、

     年長になると、恐怖心が出てきて触れようとさえしません。



     ‘ 好奇心 ’は、怖いもの知らずで

     ‘見たい’‘聞きたい’‘触れたい’‘感じたい’

     という欲求のまま、すぐにそれを行動にうつそうとします。


     年齢が低ければ低いほど、恐怖心よりも好奇心が
     体を動かし
ます。


     が、好奇心はあっても、怖さ・不快感をおぼえてくると
     行動に移す前に、それを想像して

     行動にうつさなくなってきます。


     やってみて、怖いからやらないという経験からの
     学びだけではなく、想像だけで、

     「 それ、やらない 」

     と、新しい経験に対してなかなか一歩を踏み出せなく
     なるのです。


     ‘ 食わず嫌い ’ ならず、‘ やらず嫌い ’ですね。



     自分の好きなことも大体決まってきて、
     それをやりさえしておけば、まあ楽しいし・・・、

     新しいことに対しては、

     できなかったらどうしよう・・・とか、
     友達にどう思われるか・・・とか、
     負けたら格好悪い・・・とか、

     いろんないろんな感情、
     それも自分以外の人との関わりから生まれる気持ち・・・が

     好奇心よりも、怖さをもたらしてきます。



     周りを気にしない低年齢時に、
     好奇心から行動を起こし、その行動から学んだことが、

     全て経験として身になっていく、その過程で

     「 できた 」という達成感と

     「 見てくれていた 」という安心感があれば、

     怖さを想像するよりも、

     「 やってみよう 」という積極性が生まれてきます。


     ‘ やらず嫌い ’ や ‘ 早いあきらめ ’ ではなく、

     ‘ とことん最後までやってみよう ’ という気持ちになり、

     ‘ 失敗は怖くない ’ という思いを持つことができます。



     怖さを想像する年長になっても
     好奇心が恐怖心に勝ることはたくさんあります。

     最初は‘ やってみよう ’と思うのです。


     が、その気持ちに水をさすのが、周りの大人なのです。

     稽古事など、新しい環境や活動に、
     自分の意志が尊重される年齢、

     一歩を踏み出す前に、


     「 できるの? 」

     「 続けられるの? 」

     「 本当に頑張れるの? 」



     という保護者の心配やプレッシャーは、
     そのまま子どもに恐怖心となって映り
ます。


     最初の‘ やってみよう ’が、‘ できるかな? ’という
     恐怖心に変わってくるのです。



     心配するということは、子どもを信じていないということ、

     一歩を踏み出す勇気は、信じることから生まれます。


     好奇心のまま心配なく新しいことに挑戦するには

     まず、

     「 楽しそうだね 」

     というひとことを、周りの大人が伝えるだけでいいのです。


     確認や念押しをしなくても、
     子どもを信じ、見守っていくだけ
です。


     恐怖心が好奇心を押さえ込まないように
     信じ見守っていきたいですね。

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