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![]() 『 ことばの発達 A 』 3歳 金魚が泳ぐ水槽に顔を近づける子ども・・・ 「 一個、二個、三個・・・ 」 と、金魚を数えだす。 それを聞いていた Y くんが言った。 「 一個じゃなくて、一匹っていうんだよ 」 と・・・。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は・・・ 金魚を 「 一個、二個、三個・・・ 」 と数えた子どもについて・・・ 子どもが数を数えることが最も多いのは、 おもちゃだったり、お菓子だったり・・・ その時に使う助数詞は ほとんどが ‘ ○個 ’ です。 ことばは、使うことで自分のものになっていくのですが、 最初は聞くことから始まります。 聞いていて、法則性があって、繰り返されるものは 早くに子どもも自分のものにしていきますが、 助数詞については、 数えるものによって異なるという難しさがあります。 大人でさえも ‘ これはどうやって数えるのかしら? ’ というものもあります。 子どもは、 ことばを 繰り返し 繰り返し 聞いて、 それをまず まねして使います。 そうです、 ことばを繰り返し聞いて、その意味を理解してから使う のではなく、 まずは、意味がわかっていなくても まねるのです。 「 一個、二個、三個・・・ 」 と数えたのも、数につくことばで 耳から聞いて最も多く記憶されている助数詞が ‘ ○個 ’だったのです。 意味を理解せずにことばをまねるという子どもの特性から・・・ また、 最近、ことばの遅い子どもが増えているという現状から・・・ 周りの大人が、 《 日常的に使うことばは、より一層、正しく丁寧に!》 《 日常的に使う機会が少ないことばは、意図的に使うこと!》 がとても大切になってきます。 《 日常的に使うことばを正しく 》 というのは、 小さい子どもに合わせて たとえば・・・ 「 くすり 」 のことを 「 おくちゅり 」と言ったり、 「 ママですよ 」 を 「 ママでちゅよ 」と言ったり しないということです。 つまり、子どもに合わせて幼児語を使うのではなく、 正しく発音し、正しく使うということです。 これは母親よりも父親に多く、 可愛さあまって、無意識に子どもに合わせてしまうという 感じですね。 けれども、ことばをまねる子どもに幼児語で話しかけると、 そのことばをそのまま まねて正しいと思い込んでしまうのです。 ことばの発達にとって 幼児語を使わないということは、とても大事なことなのです。 ふたつめの、 《 日常的に使う機会が少ないことばを意図的に使う 》 というのは、 子どもがまだ理解できないと思って、 どんな場面でも、ひとつのことばで すませてしまわない ということです。 たとえば・・・ 「 高いビル 」 を 「 大きなビル 」ですませたり、 「 右に寄って 」 を 「 こっちに寄って 」ですませたり せずに、 ‘ 高い ’‘ 右 ’ということばを意図的に使う ということです。 新しいことばを耳にすることで、 そのことばとそのことばを使う場面をつなぎ合わせて、 そのことばの意味を少しずつ理解していくのです。 数を数えるときも、単に数字だけをことばに出すのではなく、 数えるものによって異なる助数詞をきっちりと使うこと が大切ですね。 先日、テレビをつけていたら、 たとえば、 はがきは「 一枚、二枚 」 と数えますが、 書いたあとの はがきは「 一通、二通 」 となるなど、 同じものでも、状態によって助数詞が変わるという クイズ?をやっていて、思わず見入ってしまいました。 助数詞というのは とても難しいですね。 ことばを単に知っていてもそれを使うことができなければ そのことばが自分のものになってはいないということです。 子どもは まねからスタートして、 いろんな場面でことばを使って学んでいきます。 語彙が豊富な子どもは、思考力が高いです。 これから先、迷った時、悩んだとき、壁にぶちあたった時、 考える力は、その問題を解決する大きな力になります。 だからこそ、 子どもへのことばがけには充分な配慮をしたいものですね。 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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