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      『 心変わり 』  3歳児



     劇遊びの練習で、いろんな動物の役になって遊んできたが、

     ‘ 発表会 ’ の日に向けて、ひとつの役に決めることに!!


     ‘ 一番好きな動物 ’ を決めて、手を上げる。


     今までしてきたものと同じ動物を選ぶ子

     好きな動物が二つか三つあって、それをぐるぐる変えて
     そのうちのひとつを選ぶ子


     好きな範囲がもっと広くて、また友達に影響されて
     いろんな動物を選ぶ子



     と、それぞれであった。



     役だけ決めたら、

     体操の時間になった。


     体操が終わってから、
     その決めた役で、劇遊びの練習を始めることにしたが…


     ‘ 一番好きな動物の役 ’ を選んだはずなのに…


     自分が選んだ役が

     「 わからない 」 と言いにくる子…

     すました顔で、選んだ動物とは全然違う動物の面をつけ
     いる子…

     と、

     決めたはずのものが、

     時間の経過とともに あやふやになっている子どもたちであった。





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     ということで、今日は…



     子どもの心変わりについて…






     子どもが、‘ 自分の好きなもの ’ を
     選んで決めても…

     時間が経つと、それほど好きではなくなっていたり、

     違うものに変わっていたり
…ということがよくあります。



     今回の劇遊びの役も、
     考えて選んだ動物のはずですが、

     時間が経つと、


     ‘ 何を選んだかな? ’

     とわからなくなったり、


     ‘ この動物だ ’

     と、自分が決めた動物とは全然違うものを指し示し
たり…と

     心変わりしたかのような様子が見られます。



     でも、これは…

     ‘ 心変わり ’ したわけではありません。


     ‘ 子ども心 ’ は、
     ‘ 娘心 ’ や ‘ 山の天気 ’ のように変わりやすいわけでも

     ありません(笑)。



     大人にとっての ‘ 好きなもの ’ へのこだわりと

     子どものそれには大きな違いがあるのです。


     いくつかある選択肢から、ひとつを選ぶ経験を何度も
     している大人は、

     それを選んだ結果 = 選んで良かったか失敗だったか

     の感覚も、身体と頭に蓄えられてきています。



     その結果、自分なりの ‘ 選択する基準 ’ もでき、

     一度選んで、「 これだ 」 と決めたら、

     それに対する執着、愛着(好き)も大きなものになり
ます。



     が、子どもは…

     ‘ 選ぶ ’ 経験がまだまだ少なく、

     ‘ 好きなもの ’ も、

     「 大きなケーキと小さなケーキ 」 なら
     「 大きなケーキ 」 が好きで、大きなケーキを選びますが…


      「 ショートケーキ 」 と 「 モンブラン 」 になると、

     この種類のケーキを食べた経験がないと、決められません。

     また食べたことがあったとしても
     同じくらい好きだったり、友達が好きな方が好きになったり、

     その嗜好がはっきりしていない のです。


     だから、わからなくなったり、変わったりすることも
     当然おきてきます。


     心や気持ちが変わったのではなく、

     定着していなかっただけです。

     または食べたことが(経験)なかっただけ
です。



     子どもに何かを選ばせたり、決めさせたりしたときには、

     その選んだものや決めたことが変わり得る
こと、


     それは、知らないから、経験していないから、

     当たり前に起こることを、

     常に大人も頭に入れておくことが大切ですね。



     一度決めたことが

     ‘ 変わった ’ とか、‘ 忘れた ’ という理由で

     叱ったり、頼りないと思ったりせず
に…。



     子どもにとって、

     選ぶときに、その選択肢の中のものを知っているという
     知識…


     そして、

     ‘選ぶ’経験、

     選んで得られた感覚、


     が、いかに大切か
ということですね。



     大人は自分の感覚で子どもを見てしまいがちですが、

     子どもの感覚になって、


     「 それが子ども 」

     「 子どもらしい子ども 」



     と受け止めてあげたいですね。

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