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![]() 『 現在(いま)を楽しむ 』 3歳児 全園児が集まって行う、月に一度の誕生会!! その誕生会には、各クラス一曲ずつ歌をうたう。 今月、一月の誕生会には、 「 『こおろぎ』 をうたいたい 」 と、言い出す N ちゃん。 季節的に合わないと思ったが、 よくよくその理由を尋ねてみると… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 よくよくその理由を尋ねてみると… 11月の誕生会で、 『 こおろぎ 』 と 『 山のワルツ 』 のどちらの歌を うたうかで初めて話し合って決めたとき、 『 山のワルツ 』 に決まって、 『 こおろぎ 』を歌うことができなかった、 その悔しい思いを思い起こしてのことでした。 「 『 こおろぎ 』 うたってないもん 」 と、強く訴える Nちゃんと、 その訴えを聞いて賛同する子どもたちです。 こおろぎの声を今、聞くことができるか尋ねると… 「 前ね、ずっと前ね、鳴いてたよ 」 と、秋の一日を思い出して一生懸命話していました。 1月になっても 「 クリスマス 」 「 クリスマス 」 と、はしゃいで話すように、 子どもにとって、 ‘ 好き ’ ということ、 ‘ 楽しい ’ ということに 季節感や、‘合う・合わない’ ということは全く関係なく、 過去の経験も記憶も全てひっくるめて思い出して、 ‘ 現在 ’ につなげていきます。 『 こおろぎ 』 の話が出る前には、 今月は 『 アイ アイ 』 をうたおうという話が出ていましたが、 N ちゃんの『 こおろぎ 』 のうたに対する思いを知ると、 とうとう、 「 ふたつ、うたおうよ 」と言い出す子も出てきました。 結局、1月と2月に分けて ひとつずつうたうことに決まり、 今回は、『 こおろぎ 』 をうたうことになりました。 年長児にもなると、 「 好きな方を後にとっておき、後でうたおう 」 と、子どもの方から言い出すこともありますが、 年少児にとっては、 ‘ いま ’ だけという感じです。 一月の今のこの時期に、 『 こおろぎ 』 は季節的におかしいという感覚は 大人だけのもので、 子どもたちは、 ‘ 現在(いま) ’ ‘ 一番好きなもの(こと) ’ を、 ‘ 選び ’ ‘ 行動し ’ ‘ 楽しむ ’ ことに気持ちがいっています。 ‘ あとで ’ は、 この時期の子どもたちにとっては、‘ ない ’ と同じです。 今を楽しむことが全てです。 今疑問に思ったことは今解決したい、 今夢中に取り組んでいることは今そのまま続けたい、 矛盾や常識、季節感や概念など、関係なく、 自由な発想のまま表現していく子どもたちです。 突然呼び起こされる、ずっと以前の記憶も、 今この場で再現し、満足感を得たいのです。 固定概念に縛られない柔軟な子どもの発想は、 ときには、新しいアイディアを生むきっかけになったり、 そのタイミングで今しかできない満足感を得られたりします。 頭から ‘ 無理 ’ と思わずに、 ‘ どうして無理なの? ’ というところから始まり、 ‘ できない ’ こと を‘ いまその勢いでやりぬくこと ’ は 大人が、子どもから教えられる、 とても大切なことですね。 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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