Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 片付け 』  4歳児



     自由遊びの片付けを知らせるピアノを弾こうとすると、

     「 えー!!
       ちょっとしか遊んでない!! 」


     の声。


     いつも‘ 片付け ’ に、時間が長くかかるため
     このタイミングでの ‘ 片付け ’ であるということを
     知らせると・・・

     「 早くできるから!! 」

     と声をそろえて訴えてくる。


     そこで ‘ 片付け ’ の時間を少し遅らせることにした。




     そして・・・

     子どもたち自らが訴えた片付けのタイミングで
     その時間を迎えると・・・



     「 よーし!! がんばろう!! 」



     と、時計の針とにらめっこをしながら、
     はりきって片付け始める子ども達。




     今までで一番早く、一番きれいな ‘ 片付け ’ となった。





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     ということで、今日は・・・



     やらされる ‘ 片付け ’ と、
     自発的に取り組む ‘ 片付け ’ の違いについて・・・




     家庭でも‘ 片付け ’ は、 ‘ しつけ ’ の大きな問題の
     ひとつではないでしょうか?


     「 片付けないんだったら、おもちゃ全部捨ててしまうよ 」


     と叱ったり、脅したり・・・

     どのように言えば片付けるのか、頭を悩ませるテーマですね。



     大人の感覚では・・・
     使うものだけを出して、使わなくなったら片付ける・・・

     それが効率にもつながり、また見た目にも落ち着きます。

     そして子どもにも、それが当たり前という感覚で
     ‘ 片付け ’ をさせてしまい
ます。


     この ‘ させる ’ ことが子どもにとっては一層、
     ‘ 片付け ’ を ‘ 嫌う ’ 原因にもなってくるの
     ですが・・・。




     では、
     ‘ 片付け ’を‘ させる ’ のではなく、
     ‘ 自発的に取り組む ’ ようにするにはどうすればいいので
     しょうか?



     それにはまず、
     大人と子どもの大きな違いを理解するところからスタートです。


     「 使うものだけ出しなさい 」

     と言われても、

     子どもは何を使うかという、計画にそっての遊びはしない
     ということ・・・

     全てのものを引っ張り出して、その中に埋もれて、
     その場、その場で変わっていくイメージに合わせて
     すぐ手に届く遊具を使っていく・・・

     そしてその変幻自在で豊かな創造力からすれば、
     遊具に埋もれていた方が効率が良いということ。



     また、大人は整えられた広い空間に気持ちよさや落ち着きを
     感じますが、

     子どもは、逆にそれが不安になる空間だったりすること・・・

     何かに囲まれている方が子どもにとっては安心で落ち着く
     場所になること。



     このように、
     子どもは大人と違うということを理解していないと、

     その ‘ 片付け ’ への意識の違いから、

     どうしても ‘ 片付け ’ は、 ‘ させる ’ ものになって
     しまい
ます。

     またはあきらめて親がしてしまうこともあるかもしれま
     せんね。


     が、

     子どもにとっての ‘ 遊具 ’ や ‘ 空間 ’ への感覚を
     理解して認める
だけで、

     まずは子どもへのことばがけが違ってきます。

     子どもにとって居心地の良い空間をくずすことに対して
     申し訳ない気持ちが加わります。

     そうすると、子どもは自分の気持ちをわかってくれて
     いる、と安心感
を抱き、

     ‘ 本当はこのままがいいけれども、
       片付けないとお母さんが困るんだ ’


     と、
     子どももまたお母さんの気持ちを理解しようとするのです。


     子どもへのことばがけが違ってくると
     子どもの反応も違ってきます。


     そこにプラスアルファ、
     遊び感覚で片付けに楽しく取り組むことができる工夫
     加わると、

     ‘ させる ’ 片付けが、

     ‘ 自らやってみよう ’ という片付けになります。



     たとえば、

     片付けの時間を意識するように時計の針を使うこと、
     その時計も砂時計にしたり・・・と目先を変えること、

     片付ける器を変えてみること、
     器に入れない片付けをしてみること、


     などなど・・・


     大人も、
     片付けが遊びになる工夫を考えることで楽しくなってきますね。


     それこそ子どもとの知恵比べです。




     それらの積み重ねから、少しずつ少しずつ、

     何をどれだけ使って物を作るのか、遊ぶのか、
     目的と計画を頭に描くことができる
ようになったり、

     次のことを考えて、その次なる行動にとって
     このスペースで充分かどうかを考える
ようになったり、

     先を見通して自分の居心地の良い空間を確保する
     ということもできるようになってきます。


     中には大人でも、片付いていない方が落ち着く人もいたり、
     意味のない散らかり具合が妙に芸術的だったり、

     一概に

     ‘ 片付け ’ = ‘ 良い ’

     とは限らない場面もあったりします。


     要は、安全なスペースか(ケガにいたらないか)、

     自分だけではなく周りの人への迷惑になってはいないか


     それさえ考えられれば、
     ‘ 片付け ’ にも程度と個性がはっきり表れてきて
     おもしろいものです。



     ‘ 几帳面 ’ か ‘ 神経質 ’ か、紙一重だったりしますが、

     たかが ‘ 片付け ’ 、されど ‘ 片付け ’ 、

     なかなか深いものですね。

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