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      「感動の表現」  3〜4歳



     頂いたメールより・・・


     《ー略ー

      娘が3〜4才の頃、
      バスに乗っていて真前の席に
      頭の真ん中がきれいに丸く禿げておられる
      おじさんが座られたときです。

       ”あっ、はげてる!!”

      と大きな声で叫びました。


      私は、もう心臓が飛び出しそうに驚いて、
      怖い顔でだまらせ咄嗟に彼女の手を引っ張り
      すぐにバスから降りてしまいました。


      後でこんな時どうしたらよかったのか考えましたが
      謝っていたほうが良かったのか、
      未だに解らず、難しい状況に悩んでしまいます。


      彼女には、よくよく後で言い聞かせ、
      いけないことだと教えましたが、
      ほんと、思わぬハプニングに出くわすものです。


      こんな時どうしたものかおしえて!》


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


     よそ事と捉えると思わず笑ってしまうような
     光景かもしれません。


     が、わが子が・・・・と考えると、
     表現されていますがまさに‘心臓が飛び出す’ような、
     その場から立ち去りたい気持ちになるでしょうね。


     貴重な体験のお話をありがとうございました。


     ということで
     今日の子どものことばは・・・

          ↓

     頭の真ん中がきれいに丸く禿げているおじさんを見て


     「あっ、禿げてる!!」





     これも‘初めて’の感動!
     を表わしたことばになるのでしょうか?




     ただ、‘ハゲ’ということばをご存知だったということ、
     またそのことばがどういう状態の頭を指すのかを
     ご存知だったということは、

     テレビや本など何らかの形で学んでいらっしゃる
     はずなんです。


     実物を見たのが初めてで思わず叫ばれたのでしょうか?


     これもある種、‘初めて’の叫びというものです。



     が、心を豊かにする‘感動’の表現にはあたりません。




     心を豊かにする、思いやりの心を持つという
     感動のことばは、

     決して相手を傷つけたり悲しませたりするもので
     あってはならない
からです。



     もちろん、受け取り手によっては、

     「そうやねん!おっちゃんの頭、きれいやろ?」

     と、子どもの言ったこととして
     軽く同調してくれることもあるかもしれません。


     ただ、多くの人が、
     髪の毛が少なくならないように一生懸命に努力を重ね、
     少なくなってくることを気にする、悲しむという
     気持ちを持っているのです。



     気にしていること、悲しんでいることを、
     赤の他人にことばで表現されるということが
     (たとえそれが子どもであったとしても)、


     どれだけの悲しみや傷になるかを考えれば、
     そのことばが感動の表現にはあたらないと、
     わかっていただけることと思います。



     実物を見たのが‘初めて’であったとしても、
     テレビや本で学ぶ機会があったのならば、
     その時々をとらえては、

     人の気持ちがわかるような
     ことばがけをしたいものですね。




     もちろん、
     机上の学びより実体験が子どもには最も大切です。



     絵本の中の飛行機は飛びません。
     実際に滑走路を飛び立つ飛行機を見て、

     「本当にとんだ!」

     と叫ぶ感動が真の学びです。


     時にふれ、人を傷つけない、
     人の気持ちを知ることは話して聞かせていても、

     実際このメールのように叫んでしまった時は・・・・、



     その場で、お母様が

     「ごめんなさい。申し訳ございませんでした。」

     とひとこと謝りましょう。


     何も子どもに怖い顔をしたり、
     まして、叱ったりはしないでくださいね。


     謝ったお母さんの姿をちゃんと
     子どもは見ているもの
です。

     そして子どもなりに考えるものです。



     そこで‘よくよく言い聞かせる’前に

     「どうしてお母さんは謝ったと思う?」

     と子どもに尋ねてみてください。




     きっとお母さんが思うより、
     子どもは謝ったお母さんの姿から
     たくさんたくさんのことを吸収して


     びっくりするようなこたえが
     返ってくると思いますよ。



     そしてびっくりするようなこたえが返ってきたら、
     ひとこと「そうだね」と言ってあげるだけでいいのです。



     よくよく言い聞かせる必要はなくなるでしょう。



     それが実体験です。




     子どものことばは予想もつかないものです。

     だから惹きつけられるのですが、
     ただ逆に、対応方法が頭ではわかっていても
     実際となるとなかなか難しくもなるものです。



     迷い迷いの育児でもいいじゃないですか?



     子どもとともに成長していけば・・・。



     子どもが3歳なら、親年齢も3歳なんですから・・・・。

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