Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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     『 会話の広がり 』  5歳



     日焼けして背も大きくなった子どもたち。

     夏休みのできごとを思い起こして

     我先にと話し始める。


     「プールに行った」

     「海に行った」

     「キャンプに行った」

     「おばあちゃんちに行った」



     などなど出かけた話…

     だけではなく、


     「クロールの息つぎができるようになった」

     「自転車のコマなしが乗れるようになった」


     など、できなかったことができるようになったこと…

     などなど。

     次から次へと話が尽きない子どもたちだった。





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     ということで、今日は…


     会話の広がりについて…



     まとまった休日が終わると大人の会話も、

     「 どこか行ったの? 」

     「 何してたの? 」


     が挨拶代わりになりますが、

     ' 旅行など、どこにも行ってないし… '

     ' 同窓会で懐かしい友人に会ったということもないし… '


     大人の思考回路から出される、

     この会話の続きは、

     「 家でゴロゴロしてただけ〜 」

     など、そこで ' チャンチャン ' ! おしまい!

     という感じでしょうか?

     子どもであれば…

     年齢が高くなればなるほど、大人よりにはなりますが、

     低学年の子どもたちは

     「 夏休み 」 というくくりに縛られずに、

     「 行ったところ 」 「 していたこと 」 を

     質問そのままにこたえます。

     3歳児クラスでは

     「 海に行った 」

     という、 「 夏休み 」 ならではの話も出ますが、

     「車で遊んだ」

     「自転車で遊んだ」

     「お外で遊んだ」


     という、日常的な話も聞かれます。

     自分が話すことを聞いてくれるだけで嬉しい 3歳児です。

     少し大人よりになる5歳児は、

     「 夏休み 」だからこその話をするようになります。

     夏休みだから行ったところ、

     できなかった、

     「 クロールの息継ぎが 」 や

     「 自転車のコマなし乗り 」 ができた話など、

     話を聞いた相手がどう受け止めるかを考えて

     話をしようという風に変わって
きます。

     「 驚かせたい 」

     「 ほめられたい 」


     と!

     5歳児の、相手がどう受け止めるかを考えてのこたえが、

     まだまだ子どもらしいのは、

     「 自分の存在 」をアピールできるから…

     という面もありますね。

     大人だと

     「 自慢話はやめておこう 」

     と、相手が気を悪くしない配慮とはいえ、

     話の視野がうーんと狭くなり、先程の会話のように

     ' チャンチャ ン ' となってしまいます。

     もちろん、5歳の子どもの急激な成長とは異なり、

     そうそうできなかったことができるようになるということも

     少ないかもしれませんが…。

     大人の会話を弾ませるには

     「 私は家でゴロゴロだったけど、あなたは? 」

     と、質問を返すこと。

     自然にみなさんされていると思いますが…

     「 聞き上手 」 は 「 話上手 」で、

     相手も 「 私に関心を持ってくれた 」 と嬉しくなり、

     会話も広がり
ますね。

     コミュニケーション力の発揮になります。

     子どもは、質問をたくさんたくさんしてきますが、

     相手の話を聞くことで、会話を弾ませようとか、

     相手を喜ばせようとはなりません


     あくまでも自分の興味、関心を満たすための質問です。

     「 これはなに? 」

     「 それはどうして? 」


     などなど…

     3歳児は3歳なりの、
     4歳児は4歳なりの、
     5歳児は5歳なりの質問です。

     この時期に、子どもの話をたくさんたくさん聞いて、

     質問にこたえて子どもの興味、関心を満たしたり、

     感心して驚いたりほめたりして

     子どもの自己重要感を満たす
ことで、

     今度は自分も相手を大切に思って話を聞く、

     会話を楽しむという大きな成長に
つながっていきます。

     何度も何度も同じことを尋ねてきたり、

     家事で忙しくて時間がなかったり

     話をしっかり聞いて、疑問にこたえることは

     常にというのは簡単ではないかもしれませんが、

     「 そんなところによく気がついたね? 」

     「 不思議だね 」


     と、相づちを打つだけでも、子どもは満足です。

     そして

     「 お母さんもわからないからあとでいっしょに調べよう 」

     と言えば、子どもは自分で調べて

     「 ぼく(わたし)がお母さんに教えてあげよう 」

     と、目を輝かせて図鑑を引っ張り出してきたりします。

     そして、知識が増えればそこからまた会話はどんどん

     広がって
いきます。

     興味、関心の対象を狭めることなく、

     知ることの楽しさを体感して

     話の視野をうーんと広げていきたいですね。





     「 世代が違うと
       話が合わないなんていうのは間違い。
       話が合わないんじゃなくて、
       話を引き出せない自分がバカなのだ。

       年寄りとお茶を飲んでいて
       『 おじいちゃん、この茶碗は何? 』って聞けば
       何かしら答えが返ってくる。

       きっかけさえ作ることができれば、
       思いもよらない話が聞けることもある。

       相手はいい気持ちになれるし、
       こっちは知らなかったことを知る。
       相手が小学生だって同じだ 」

       by  北野 武





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