Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
   HOME  |  INDEX  

    
      『 蛙 』  4歳児



     K くんが園に持ってきたおたまじゃくしが
     死んでしまった。

     手と足が出て 蛙になりかけていたおたまじゃくし!!

     園庭の隅にお墓を作って、その後ひとしきり話し合う。


     すると…

     「 蛙はおへそ、ないんだよ 」

     と、言い出す。

     それを聞いて、

     「 たぬきは おへそあるけどね 」

     と、たぬきの話に!!

     「 たぬきのおへそは ペケポンなの 」

     と、
     これは絵本やテレビの影響か、はりきって話しだす。

     「 たぬきは おなか、たたくの 」


     おへそがない蛙については、

     「 木がおへそを取っちゃったんだよ 」

     「 違うよ、神様が取ったの 」


     と、おへそがない理由を自信たっぷりに説明する子どもたち。

     おへそがない → 雷 → 木 

     という子どもの中での知識のつながりと想像で、

     大盛り上がりの時間となった!!

     おやつの後、

     蛙の自然絵本を手にして

     「 せんせい、やっぱり、おへそ、なかったよ 」

     と蛙の写真を指差す男児。


     自信たっぷりに話したことをさらに念押しするような、
     誇らしげな口調であった。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


     ということで、今日は…



     物事の知識と追求について…



     おたまじゃくしが蛙になるという知識が頭に入っていても
     その実際はよくわかっていない子どもたちです。


     「 蛙はね、昔は しっぽがあったの 」

     とか、

     「 しっぽは、火で燃えちゃったの 」

     とか…


     夢(お話の世界)と現実が混同した思いをふくらませている
     子どもたちです。



     実体験、絵本やテレビでの知識、おたまじゃくしからではなく、
     「 昔 」ということばからの連想などなど、

     いろいろ思い返し、

     知識をつなぎ合わせて、

     出てくることば、話、またそれを裏付けるための行動…と

     死んでしまったおたまじゃくしから、たくさんの学びを
     得た子どもたちでした。



     このように、夢と現実に思いをふくらませ、
     自分の考えを人に伝える経験をたくさん積んでいる子どもほど、

     成長するにしたがって、

     物事を深く鋭く追求する
ようになります。



     大人は真実だけ、現実だけを教え込もうとしますが、

     教え込まれた知識よりも、

     「 違ったんだ 」

     「 やっぱりそうだったんだ 」


     と、自分自身で発見したものほど、

     より身につきます。


     記憶に残すのではなく、

     「 思い 」に残る知識があってこそ、

     さらなる「 知りたい 」という知的好奇心も、

     それを満たすための行動も出てくる
ようになります。


     教える側は、
     教え込む事で答えがはっきり出て安心しますが、


     いっしょに

     「 どうだろうね? 」

     と不思議に思ったり、考えたりするだけで

     子どもは自分なりのこたえを見つけ出し
ていきます。


     答えを急いだり、確認したり 念を押したりしなくても、

     目先の力ではなく、子どもが持つ力を信じて
     待ってあげたいですね。

         INDEX  前号  次号    

Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.