Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 不安と緊張 』  5歳



     Hくんのお母さんが言った。

     「 始業式の数日前から

       Hにチックが出始めて… 」
と。

     「 新しい先生、友達のことを気にかけている 」

     と!

     お母さまはHくんの様子を心配しながらも、

     始業式当日は

     「 大丈夫! 」

     と明るく送り出した。

     すると、満面の笑顔で

     「 ただいま!」

     と、帰ってきたHくんであった。


    ※チック症
      不安やストレス、緊張などを感じたときに現れる
      ( 心理的な要因だけではないが )、
     頻繁なまばたき(Hくんのケース)などの症状 





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     ということで、今日は…


     子どもの不安と緊張について…


     先生が変わる、友達が変わる…

     環境が変わる新年度のスタートには、

     子どもたちは大人が思うよりずーっと

     不安と緊張でいっぱいです。

     稽古事の振替でさえ、

     「 ○○コーチじゃないと行かない 」 (スイミング)

     と、親の‘月謝がもったいない’ という思いもむなしく、

     コーチが変わることを拒否して、

     振替に気持ちが乗らない子どもの頑なさがあります。

     それほど、周りの人の影響、関わりが

     子どもにとっては重要
だということですね。


     Hくんのようにチック症として現れると

     周りもその不安や緊張に気付き寄り添うこともできますが、

     症状にまでは出なくて、

     ネガティブな発言、消極的な様子だけだと

     新しい環境に対する、それらの言動を

     押さえ込もうとしたり、

     「 そんなこと、大したことではない 」

     「 がんばれ 」

     と、発破をかけて
しまいがちです。

     子どもにとっては大きなことを

     「 大したことではない 」

     と言ったり、

     子どもにとっては心配なことを

     「 心配するほどのことではない 」

     と、

     否定し、発破をかけたりすると、

     子どもはかえって不安定になります。

     かといって、お母さんが子どもと一緒になって心配すると

     それもまた子どもは今以上の不安に包まれることになります。

     Hくんのお母さんは、

     心の中では心配して、

     Hくんの思いを受け止めた上で

     「 大丈夫! 」

     と、

     この壁を乗り越えられるであろう、

     Hくんの力を信じ
て送り出しました。


     無理強いするのではなく、

     その気持ちに共感し、

     「 わかるよ 」

     「 ドキドキするね 」

     と受け止め、

     子どもの気持ちを吐き出させて
あげたいですね。

     吐き出すことで、そしてそれを聞いてもらうだけで、

     気持ちが落ち着き、安心することができます。

     そして環境に飛び込みさえしてしまえば

     「 思ったほど悪くはなかった 」

     「 心配していたことは心配じゃなかった 」


     と、一歩前に踏み出すことができます。


     Hくんのまばたきもなくなりました。

     新しい環境だけではなく、

     運動会前に腹痛を訴えたり、

     注目を集める場面で声が出なかったり


     緊張感いっぱいの子どもには

     安心感を持たせて送り出したいですね。

     前に進むために!!

     子どもの目の高さにおりて
     不安、緊張などネガティブな感情は分かち合い、
     少しでも軽くして、

     嬉しいことなどは一緒に喜びあって、
     その幸せな感情が倍にふくらむ
ようになれば…

     よりたくさんの笑顔が見られるようになりますね。



     「 力は、あなたの弱さの中から生まれるのです 」

       by フロイト




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