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      『 初めて知ることばの理解 』  5歳児



     広い地域に警報が出され、
     大きな被害があった大雨の日の翌日の会話・・・



     「 お家がぬれちゃったんだって 」

     と心配顔。




     「 だって天気予報とかニュースで
       124 パーセントとか言ってたよ。すごいね 」





     と一生懸命に話す。



     ‘ 124ミリ ’ を ‘ パーセント ’ と区別できずに

     ‘ 100 を過ぎたら とても大きな数字ですごいんだ ’

     というイメージで話す子ども達であった。





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     ということで、今日は・・・



     初めて知ることばを、
     知っていることばに置き換えて理解しようとする子どもの

     ことばのとらえ方について・・・




     日々のニュースに関心を持つことはとても大切です。

     実際の経験と、
     世の中で起こっている出来事を知ることによって得られる経験と

     何事も経験することによって子どもは、
     自分がとる最善の行動やことばを選び取って
いきます。


     ‘ こうすれば上手くいく ’

     ‘ こうすれば失敗する ’


     という学びを得ていきます。



     子どもが、自然の移り変わりを直接肌で感じる部分と、
     住む地域によってその自然の姿が違うことをニュースで
     知ることと、

     それらの経験から、
     人間が自然の前ではいかにその力が小さいかということや

     自然の驚異を理解していきます。



     大きな被害をもたらした大雨ですが、

     その情報の中で何度もアナウンスされる、
     ‘ 〇ミリ ’という雨量を示すことば・・・を聞いて子どもは、

     ‘ とてつもなくたくさんの激しい雨 ’
     であるというイメージをもちました。


     その、あまり聞き慣れない‘ ミリ ’ということばを

     実際使ってみよう
とすると

     ‘ パーセント ’という聞き慣れたことばに変換されて
     しまったのです。



     ことばや知識というのは、

     知っているだけではなく
     使うことによって初めて自分自身のものになります。


     頭においておくだけではなく、
     アウトプットしてみるのです、

     ことばとしてそして文字として・・・。


     自分自身のものにしてはじめて
     自分以外の相手にも伝えることができる
のです。


     ことばは、自分の思いを相手に伝え、
     相手の思いを知るというコミュニケーションの手段として、

     文字は、目の前にいる相手だけではなく、
     見えない相手にも伝え、伝わる、消えてなくならない思いの
     伝達として、大切な役割をします。



     子どもが初めて知ることばを自分のものとして
     アウトプットしたときに

     今回のように、よく知っていることばに変換して表現したり、

     またときには、自分が言いやすいように順番を並べ替えて
     表現したり(‘ いっぽうつうこう = 一方通行 ’ を
     ‘ いっこうつうぽう = 一行通方 ’と言う子どもがいました)、



     子どもは、耳を通しての経験によって、

     間違っても良い記憶を口にできる

     それが伸びる環境になります。



     ある程度の年齢になると、

     間違うことは恥ずかしいこと、

     間違ったことを話すよりも話さない道を選ぶこと、

     が多くなり、
     そうなってくると伸び幅が小さくなってくるのです。




     新しい情報に関心を持ち、

     新しいことばや新しい概念を知ってそれをアウトプット
     することで自分のものにしていく子ども達の、

     その過程での失敗や間違いを指摘したり、笑ったり
     するのではなく、

     アウトプットしようとするその姿勢をほめ、
     その情報を得た過程を認めてあげたい
ものです。


     そして私たちおとなも、
     笑われることや指摘されることを恐れずに

     プライドを捨てて表現したり、

     知ったかぶりをせずに

     知らないことは‘ 知らない ’ と言えるようになりたいですね。


     またそういう雰囲気をつくることが大切だと思います。


     大人は子どもに教えるのではなく、気付かせるために、
     そういう姿勢を子どもの前で示すだけでいいのです。



     子どもに 「 どうして? 」と、質問をされたら逆に

     「 どうしてだと思う? 」

     と逆質問を返したり、


     間違いを素直に認めて正しいこたえをいしょに探したり、


     子どもと共に成長していくことができれば
     それが一番ですね。

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