Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 ごめんなさい 』  5歳児



     色鬼で遊ぶ子どもたち。

     鬼が言った色を見つけて触れていなければ 鬼につかまる。


     その色鬼でけんかが始まった。


     「 色にちゃんとタッチしていたのに、Kくんがその色は
       違うって言った!そしたら鬼につかまってしまった 」


     と泣く。


     もうひとりも、色が違うことを指摘されて泣いてしまった。


     それを見ていた女児が Kくんに

     「 謝りーや!! 」

     と責め立てると・・・

     「 ・・・ 」





     「 『 ごめんなさい 』 やろ !!」








     「 ・・・




       色鬼もうやめるわ 」







     と、Kくんはその場から走っていってしまった。





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     ということで、今日は・・・



     「 ごめんなさい 」 について・・・




     「 ごめんなさい 」 のひとことをなかなか聞くことが
     できなかったり、

     ‘ 本当に 『 ごめんなさい 』 って思っているの? ’

     という 「 ごめんなさい 」 を耳にすること、
     多くないでしょうか?



     子どもに 「 ごめんなさい 」 を言わせようと思えば思うほど

     逆に頑なまでに言わなかったり、

     言ったとしても、
     気持ちのこもらない 「 ごめんなさい 」 だったりします。


     その気持ちのこもらない 「 ごめんなさい 」 は、

     ‘ いま、言おうと思っていたのに・・・ ’

     先に指摘され、
     面白くないと感じて仕方なく言わされた 「 ごめんなさい 」
     です。



     同じように言わされる 「ごめんなさい」 でも・・・、

     良いことと悪いことの区別がわからない年齢の子どもに、

     また、悪いことをされた人の気持ちまでわからない年齢の
     子どもに、

     それが悪いことで、悪いことをした時に相手がどういう
     気持ちか、

     その相手に対してどういう表現をすれば良いかを教えるとき、


     意図的に 「 ごめんなさい 」 を言わせようとし、
     子どもは同じように 「 ごめんなさい 」 を言わされます。


     ただ、低年齢の子どもには、意図的にことばを教えることで、
     気持ちが伴う、新しいことばを習得していき
ます。


     幼稚園という初めての集団生活の中で、

     集団生活でのルールを知り、
     スムーズな対人関係をもつために必要な、

     「 ごめんなさい 」

     をその場面その場面で学んでいくのです。



     そうやって年少時には教わったことをそのまま表現していた
     子どもも、

     年長ともなれば、心では思っていても言うことが
     できなかったり、

     勝気な子は、
     謝ることは負けることと思って、心でも
     「 自分は悪くない 」
     と頑なまでに口を開こうとはしなくなります。



     そんなときには、

     「 心の中で 『 ごめんなさい 』 って言っているんだよね 」

     と、子どもの心の声を周りの大人が代弁したり、


     「 『 ごめんなさい 』 を言うことができる子は
       強い子なんだよ 」


     と知らせてあげることが大切です。


     そうして口から出た 「 ごめんなさい 」 に気持ちが
     込められていなくても、

     「 ごめんなさい 」 を言ったことだけをほめてあげたいですね。




     以前、
     ‘ アメリカ人の謝罪 ’ についての新聞記事を目にしました。

     よく謝るときと、まったく謝ろうとしないときの違いに
     ついて・・・


     込み合った場所で少しでも体が触れるとすぐに
     「 ソーリー 」 と謝るけれど、

     間違いを指摘された時には、
     それに対しては断固として謝らない・・・
     それがアメリカ人だと・・・。

     ‘ 自分の能力にかかわる問題は
       簡単に謝罪してはいけないという文化がある ’

     とのこと。



     国柄ともいえますが・・・、

     日本では、悪いことがわかる大人でさえ、
     キャリーバッグで人の足を踏みつけても謝らない人がいたり、

     かと思えば、
     その場を丸くおさめるために、自分が悪くなくても
     謝罪をするという光景も見られます。




     「 ごめんなさい 」 には、
     人と人とのコミュニケーションを円滑に導く大切な
     役割
があります。


     アメリカ人のように、
     ‘ 謝罪は自分の弱みを見せることにつながるから謝るな ’
     という「 ごめんなさい 」 の文化も、

     自分の正当性を主張することで認められ、

     認められた人は、また能力のある人を認めていくという、
     めぐりめぐって人とのかかわりを強く結んでいきます。

     また信念を持って事に当たる姿勢としては学ぶべきところも
     あるでしょう。



     所が変わっても
     時代が変わっても

     「 ごめんなさい 」 に気持ちを吹き込み、

     心からそのことばを言うこと、

     また、あえて言わないことを選ぶことで変化していく人との
     関係からも、

     「 ごめんなさい 」 のことばが持つ意味の大きさを
     改めて感じました。

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