EQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育

ＨＯＭＥ　　｜　　ＩＮＤＥＸ

『 得手不得手 』　　5歳 　　　　　広場に凧あげに行った。 　　　　　凧をあげている時間よりも、 　　　　　からまった糸と格闘している時間が長い子、 　　　　　「もうやらない」 と言って 　　　　　凧あげを早々にあきらめて砂遊びを始める子、 　　　　　が、いる中、 　　　　　2時間、ずーっと凧あげに熱中するふたりの男の子がいた。 　　　　　普段の室内の活動では 　　　　　ちょっぴり飽き性なふたりが、 　　　　　凧あげでは… 　　　　　凧が地面に何度落ちても 　　　　　また最初からやり直し、 　　　　　どうしたらより高くあがるかを考えながら 　　　　　根気良く、ずーっと凧をあげ続けていた。  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 　　　　　ということで、今日は… 　　　　　子どもの得手不得手と選択について… 　　　　　子どもにとっての得手不得手は、 　　　　　経験の有る無しによるところと、 　　　　　経験した結果、選択肢に残る・残らないかによるところで 　　　　　大きな分かれ目になります。 　 　　　　　‘見たことがある’ 　　　　　‘聞いたことがある’ 　　　　　‘触れたことがある’ 　　　　　‘やったことがある’… 　　　　　そういう経験は、 　　　　　‘やってみよう’ 　　　　　という積極的な行動を後押ししてくれます。 　　　　　積極的な取り組みは、自然と良い結果をもたらします。 　　　　　そしてそれが、得手（得意）につながります。 　　　　　一方、5歳にもなると… 　　　　　行動にうつしてはみても、 　　　　　そこで、上手くいかなければ、 　　　　　「これ以上は無理」 　　　　　と、逆に今までの経験を元に自分の力と測りにかけ、諦め、 　　　　　次の機会には、その取り組みが選択肢から除かれていきます。 　　　　　もっともっと年齢が上がれば、 　　　　　‘やってみる’こともせずに 　　　　　そこで出会うであろう困難と、 　　　　　自分にできる・できないを想像して 　 　　　　　「面白くなさそう」 　 　　　　　「やらない」 　　　　　と、 　　　　　頭の中だけで処理されてしまいます。 　　　　　選択肢にさえ入らない… 　　　　　それが、不得手（不得意）につながります。 　　　　　失敗を乗り越えて 　　　　　苦労の末に上手くいった経験をしている子どもは、 　　　　　その喜びや達成感をまた味わいたくて 　　　　　どうにかその壁を越えようとします。 　　　　　凧が風を受けて 　　　　　空高く舞い上がる、その気持ち良さ、達成感が、 　 　　　　　諦めるタイミングを 　　　　　遠くへ遠くへ先伸ばしにしてくれます。 　　　　　「もう一回！」 　　　　　「あともう一回！」 　　　　　と！ 　　　　　そしてその 　　　　　‘もう一回’ 　　　　　が多ければ多いほど、 　　　　　壁が壁でなくなり、 　　　　　得意になっていきます。 　　　　　「もう一回！」と、繰り返しを楽しめる時期に、 　　　　　したことがない取り組みに触れ、 　　　　　経験し、 　　　　　経験からいろいろな選択肢を作った上で、 　　　　　‘これ だ’ 　　　　　という‘得意’にたどり着くことができると 　　　　　幸せですね。 　　　　　5歳にもなると… 　　　　　得手不得手があっても 　　　　　それは子ども自身が選んだこと、 　　　　　不得意を得意にさせようと、無理強いするのではなく、 　　　　　子どもが自ら「やってみよう」とする、そのタイミングに、 　　　　　その取り組みと出会う環境を作ること、 　　　　　そして、選択肢を増やすこと、 　　　　　そういう良い循環を小さな時からつくっていきたいですね？ 　　　　　子どもにはみんな、素晴らしい力があります。 　　　　　その力は、 　　　　　失敗を失敗とも感じさせず、 　　　　　やる気と集中力と持続力をもたらしてくれます。 　　　　　ひとりひとりそれぞれ、 　　　　　その力が発揮される場面が異なり、種類も大きく違っています。 　　　　　みんな一斉に、同じような‘でき’を求めるのではなく、 　　　　　子どもそれぞれの良さに目を向け、 　　　　　それぞれの‘得手’（得意）をさらなる‘得手’へと 　　　　　つなげていきたいですね？ 　　　　　「 私は不得手なことは一切やらず、 　　　　　　 得意なことだけやるようにしている 」 　　　　　　　by 本田　宗一 　　　　　 　　　INDEX　　＜前号　　次号＞　　　　 Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.