Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
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      『 どうして? 』  4歳児



     初めての体操の時間。

     準備体操で、

     先生の

     「 イチ ・ ニ ・ サン ・ シ 」 のかけ声に続けて、




     「 ゴ ・ ロク ・ シチ ・ ハチ ・ キュウ ・ ジュウ 」




     と、大きな声でかけ声をあげる子ども達・・・。



     「 ‘ ハチ ’ までで いい 」

     と言われても




     「 どうして? 」




     と不思議そうな顔・・・




     ‘ ジュウ ’ まで数えたい・・・

     という表情の子ども達であった。





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     ということで、今日は・・・



     既成概念にとらわれない、
     子どもの 「 どうして? 」 について・・・




     数の数え方を知り、
     多くの数を数えることが自慢の子ども達にとって


     「 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 」 とくれば、


     「 5 ・ 6 ・ 7 ・ 8 ・ 9 ・ 10 」 と続くことが

     自然です。


     が、準備体操のかけ声では

     「 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 」

     「 5 ・ 6 ・ 7 ・ 8 」

     とくればまた

     「 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 」

     「 5 ・ 6 ・ 7 ・8 」

     の繰り返し・・・。


     「 どうして ‘ 8 ’ までなの? 」


     という疑問は当然です。




     子どもの 「どうして?」
     大人は困ってしまうことがよくあります。

     それは、
     ‘ 決まり ’ だから・・・と概念にとらわれ、
     それ以上深くは考えないからです。


     が、子どもは既成概念がなく、

     「 どうして? 」

     「 なぜ? 」


     と素直な疑問を口にします。





     福島原発の事故は、
     「 想定外 」 ということばで弁明されていますが・・・ 、

     事故が 「 想定外 」 としてとらえられる、
     このようなエピソードがあったそうです。


     原発について ある子どもが

     「 1号機が壊れたらどうするの? 」

     と質問をぶつけると

     「 2号機があるから大丈夫だよ 」

     と大人はこたえました。

     すると子どもはまた

     「 2号機が壊れたらどうするの? 」

     と尋ねると

     「 3号機があるから大丈夫 」



     「 3号機が壊れたら? 」

     「 4号機がある 」



     「 4号機が壊れたら? 」

     と繰り返された最後に
     その大人は不機嫌になり

     「 そんなことはありえない 」

     と言ったということです。



     今となれば子どもの疑問の方が危機を想定していて
     現実的であったと言えます。


     子どもの疑問に真剣に向き合ってこたえを出していたならば
     その見直しと対策もこれほど後手後手にはならなかった
     ことでしょう。





     こたえられない子どもの 「 どうして? 」 について、
     こたえられない子どもの ‘ 疑問 ’ について、

     こたえられないからこそ、

     いっしょに考え、いっしょにこたえを探そうとしていく
     こと
・・・

     がとても大切です。




     子どもの頃のエジソンの 「 どうして? 」 は有名ですね。

     誰もが ‘ 当たり前 ’ と思っていることに疑問を抱き

     「 どうして? 」 を繰り返します。

     「 1 + 1 = 2 」 にも

     「 どうして? 」 と尋ねるエジソン。

     「 鉛筆1本と鉛筆1本では2本 」との説明にも

     「 2つの泥だんごを合わせると、1つのだんごになる 」

     と、エジソンの疑問は消えません。





     子どもはもっとも優れた科学者だといわれています。

     子どもの「どうして?」に対して、

     面倒くさがったり、

     「 決まりだから 」

     大人の固定概念で、理由にならないこたえをすると

     子どもの 「 知りたい 」 という知的好奇心は
     満たされないまま、

     もう疑問にも思わなくなる年齢に達していきます。

     そうして大人のように概念が固定して、
     その概念に邪魔されて、新しい考え、自由な発想が
     出辛くなってきてしまうのです。




     子どもの「どうして?」に対して、
     そこに目を付け疑問に思うことが「すばらしい」ととらえ、

     わからなくてもいっしょに 「 どうしてだろう? 」 と
     考えたり調べたりすることで

     子どもの知的能力はうーんと伸びて
いきます。




     こたえが出る前に

     「 どうしてだと思う? 」

     子どもなりの考えを尋ね直して
     その上で本当のこたえを調べると、

     その違いに対する驚きや発見が、知ることの面白さにつながり、
     「 知りたい 」 という欲求はますます増していきます。


     また一方で、案外こたえはひとつではなかったりもして、
     子どもの考えもそれもまた真実だったりもすると、


     ‘ 絶対ということはないということ ’

     ‘ 考え方によっては違うものの見方ができるということ ’

     を知り、思考力の幅が広がって
いきます。




     子どもの「どうして?」に耳を傾けることは、

     大人にとっても大きな思い込みを見直し、

     それが危機管理やさらなる新しい発展へとつながる
ことを
     頭におき、

     大人もいっしょにまだまだ成長していかなければ・・・

     と思うのです。

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