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      『 デリケートな子ども心 』  3歳児



     病気で長期欠席が続く Y くん。


     運動会は、途中で顔だけ見せにきてくれた。

     が・・・

     硬い表情でうつむき、部屋の中には入らず!!

     Y くんの椅子を持ってきて、座るように勧める子ども
     たちだが、それでも Y くんは椅子に座ることなく、

     顔を見るだけで帰っていった。



     それから10日・・・

     Y くんが約一ヶ月ぶりに登園。

     「 Y くんがいる 」と、運動会のときと同じように喜ぶ
     子ども達!!


     すると運動会のときは恥ずかしくて部屋にも入ることが
     できなかった Y くんが、

     今日は朝からみんなと同じようにそのまま部屋に入り、

     一ヶ月の休みを感じさせないくらい元気で明るい、いつもの
     
Y くんであった。





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     ということで、今日は・・・



     デリケートな子ども心について・・・






     運動会当日は、途中で顔を見せに来てくれた Y くん。

     クラスの友達みんなが‘ 運動会 ’ というひとつの行事に
     参加している真っ最中でした。


     状況をのみこむことができず、
     ただただ恥ずかしそうに遠慮気味にしているだけでした。


     その Y くんが、ようやく普段通りに朝から友達と足並みを
     そろえて登園してきた日、

     運動会当日の遠慮気味な様子がうそのような、また、
     一ヶ月の欠席を感じさせないほど、普段のままの元気で明るい
      Y くんでした。


     大人にとっては、‘気にする’ようなことではないことでも
     子どもには大きな大きな問題
だったり、

     かと思うと…

     そんなことでその問題は解決するの?というほど簡単に
     その問題から解き放たれ
たり…

     子どもの心は大人には
     想像もつかないことが多いものです。


     今回の Y くんも、運動会の日の様子は…

     みんながそろって活動に参加しているところに
     自分だけが途中から、しかも状況を把握できないまま

     その輪の中に入ることへの大きな戸惑いを表しています。


     ただ、

     それが…

     途中からではなく、

     みんなといっしょの時間帯にみんなといっしょに園の門を
     くぐるだけで、その問題は解決できてしまうのです。 



      ‘ 友達とのズレ ’ は、大人が考えるよりもずっと
     子どもには重くのしかかってきて

     ‘ 時間的なズレ ‘ や ‘ 行動のズレ ‘ 、
     ‘ 気持ちのズレ ’ など、

     ほんの少しであっても、
     子どもは拒否反応を示し、そこで足を止め
てしまいます。


     が、その ‘ ズレ ’ を修正して
     他のみんなとの足並みをそろえるだけで

     その拒否反応はなくなり、思い悩んでいたことも
     うそのように元通りの姿に戻り
ます。



     幼稚園を大好きだった子が急に行くのを嫌がったり、

     友達と活発に遊んでいた子が急に輪の中に入らなくなったり


     そこには、

     大人にとっては気にもとめない、
     けれども子どもにとっては大きな大きな理由があること、

     その理由の多くは、 ‘ 人との関係の中でのズレ ’ が
     多いということに大人が気付き、その気持ちをくみとって

     共感することが大切
ですね。



     子どもは…

     ‘ そのズレによって人からどのように見られるか ’

     ‘ そのズレによって自分は仲間ではなくなるのではないか ’


     と、感覚的に感じ、また頭で考えてしまうのです。



     特に、盛り上がっているところに後から加わるそのズレは
     重くのしかかるものです。


      大人は、一度感じた問題はその奥底にあるものまで思いが及び、
     気持ちを立て直すにも時間とそれなりの理由が必要
ですが、

     子どもは、単にその ‘ ズレ ’ さえ取り除けば、
     すぐに、また理由なく、元に戻ることができたりします。



     些細な理由と、ちょっとしたきっかけで子どもは
     泣いたり笑ったり、躓いたり走り出したり…

     いろんな姿を見せてくれますが、

     些細な理由に対して  ‘ 大したことはない ’ と思わずに

     ちょっとしたきっかけに対して ‘ そんな簡単なこと? ’
     と見過ごさずに



     子どもの心に寄り添っていたいですね。

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