Kids CanvasEQ・IQを伸ばす育児の知恵と幼児教育
   HOME  |  INDEX  

    
      『 親子のコミュニケーション 』  小学生



     先日、新幹線に乗ったときのこと。

     カチカチとパソコンのキーボードを打つ音が響く車内。

     見渡せば、目に飛び込んでくるだけでも
     3人のスーツ姿のビジネスマンがノートパソコンを
     広げている。

     その姿は、移動の1分1秒をも惜しむという、
     仕事に追われる忙しい日本人そのもの!

     数字の画面に向かい、
     そして耳にはイヤホンをつけたビジネスマン!


     そのすぐ後ろの席では同じように…


     タブレットの画面を食い入るように見つめ、

     人差し指1本と、時に両手の親指でアニメゲーム?

     らしき画面を操る小学1年生くらいの女の子


     姿があった。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


     ということで、今日は…


     時代が変わっても変わらない、
     大切な親子のコミュニケーションについて…


     長い長い移動の退屈な時間、

     このタブレットがあれば、
     子どもが暇をもて余して騒がしくすることなく、

     また回りに迷惑もかけず、
     保護者が快適に自分の時間を過ごすことができるのかも
     しれません。

     うとうととするもよし、
     保護者は保護者のアプリを楽しむもよし…


     ふとその女の子と同じ年くらいの頃の自分を思い返しました。

     旅行は楽しみで嬉しくて嬉しくてテンションも上がるのですが、

     やはり移動の車内での手持ち無沙汰な時間ほど
     いやなものはありませんでした。

     母親の

     「 あとは、止まらずに速いからもう少しよ 」

     ということばを聞いても、

     駅に止まることが気分転換になるからなのか、
     感覚的なものかははっきりわかりませんが、

     ‘ たくさん止まって早く着いて!’

     と願っていたほどです。

     もて余す退屈な時間…

     ちょうどこの時期ならでは思い出す、車内での過ごし方は…

     車窓から見える‘ 鯉のぼり ’の数を数えること!

     鯉のぼりを発見する度に母と盛り上がっていた記憶があります。

     他にも、しりとり遊びをしたり、なぞなぞをしたり、
     時にはトランプ
もしました。

     退屈でどうしようもない時間を母は共有してくれていたことが
     思い返されます。

     当時は、それが当たり前という感覚だったと思いますが、

     その新幹線での記憶が鮮明に、しかも絵として甦ってくるのは、

     子ども心にも幸せで嬉しい時間だったからではないでしょうか。

     現在は、鯉のぼりもあまり見かけなくなりましたが…。

     タブレットでゲームに夢中な子どもたちは、

     果たして、そんな思いが残るのかしら?

     とふと思いました。

     ‘ 思い出 ’が大切ということではなく、

     大好きな人と共有する時間で満たされた気持ち、

     安心感、穏やかで幸せな思い


     それらが及ぼす、後々までの人との関わり、

     社会との関わりへのに大きな影響


     それこそが真に大切なのでは?

     と思います。

     大切にもかかわらず、今のこの時代、

     親子のコミュニケーションが後回しにされてきているような
     気がします。

     嫌がおうでも大人になれば、

     新幹線で目にしたビジ ネスマンのように
     人ではなく、パソコンなどという機器に向かうようになります。

     また嫌がおうでも、

     親子が共有できる時間は確実に少なくなってきます。

     いま、この多感な幼小児期にしかできない親子の
     コミュニケーションを、

     時代が変わっても大切な人との関わりの第一歩になる機会
を、

     みすみす逃してしまわないようにと願う、

     そんなひとこまでした。

     女の子一家が降りたあと、

     折り跡のある、少し破れた赤い折り紙が、
     座席の下に一枚落ちていました。

     タブレットに夢中になる前には

     お母さんに教えてもらいながら折り紙をしていたのかしら?

     と、ふと想像してみました。

     ちょっぴり嬉しい気持ちになりました。


     「 大切なのは どれだけ与えるか、ではなく
       与える時に どれだけ愛を込めるか、です 」

       by マザーテレサ


         INDEX  前号  次号    

Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.