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![]() 『 注意力 』 4歳児 作品展当日・・・。 使い慣れたクラスの部屋は、 一生懸命に描いたり作ったりした、数々の作品が飾られ、 全く異なる雰囲気の会場に変身。 今日だけ貼っている、‘ 入口 ’‘ 出口 ’の表示も、 会場らしい雰囲気を作り出していた。 この、‘ 入口 ’‘ 出口 ’という表示は 漢字ではあるが、 子ども達はよくわかっているようで、 とても気にして 出たり入ったりしていた。 表示にかまわず、入口から出てしまうお母さんに ある子どもが言った・・・。 「 出口から ちゃんと出ないとダメ! 」 と・・・。 そして、 もう一度 入って、また出口から出直すよう指示していた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は・・・ 変化を敏感に受けとめる子どもが、 変化に注意が至らない大人に、気付かせてくれることに ついて・・・ 一生懸命に描いたり作ったりした作品を家の人に見てもらう、 とても楽しみな作品展の日です。 いつもは積み木やブロックでダイナミックに遊んでいる 広い部屋が、狭い通路に仕切られ、 作品がきれいに壇上に並んでいます。 子ども達は、いつもとは全く異なる雰囲気の部屋に驚く と同時に、とても嬉しそうです。 その子ども達・・・、 いつもとは異なる ほんの小さな違いにも敏感に気付き、注意深く 行動していました。 いつもは貼られていない、 ‘ 入口 ’‘ 出口 ’の表示にも気付き、 漢字は まだ読むことができない子どもたちですが、 読むことができない=わからない ではなくて、 流れや雰囲気、 また、日頃よく目にしていることからの想像から、 きっちりと、 ‘ 入口 ’ と ‘ 出口 ’の違いを理解し行動していました。 一方で 保護者は、 自分の子どもの作品を写真やビデオに撮ったり、 仲の良い保護者同士でおしゃべりに夢中だったりで、 ‘ 入口 ’‘ 出口 ’の表示にさえ気が付いていない様子です。 そして、子どもに注意を促されるという光景・・・。 大人は、自分の中での優先順位を持っていて その優先順位が高いことに関しては、ちょっとした変化にも 気付き、注意力も働きますが、 そうではないことに関しては、目に入らないことさえあります。 子どもにも、関心事とそうではないことへの注意力の違いは ありますが、 ‘ 変化 ’に気付く、その注意力は、素晴らしいものを 持っています。 いつもはないものがある・・・とか、 いつもの順番ではない・・・とか、 いつも・・・と違う何かに気付く力が子どもにはあります。 それが気になって仕様がない時期でもあるのです。 だからそれに気付かない大人をよく見て、素直に注意を 促すのです。 変化もよく見ていますが、子どもは大人のこともよく見て います。 自分本位の優先順位や先入観に捉われる大人には 子どもの このような素直さから教えられることがたくさん あります。 何事も決めてかかるのではなく、 いつもと違うことに気付き、不思議に思うことから その事への関心は深まります。 ‘ 小さな変化にも気付く力 ’が、洞察力・注意力を育てます。 大人からすると、 ‘ 小さなこと ’よりも‘ 大きな関心事 ’ですが、 子どもにとっては、 ‘ 小さい ’‘ 大きい ’ではなくて、 身の周りの変化はみな大切(大きい)ということ、 ‘ いつもと違う ’ことへの執着は、 ‘ 秩序 ’を理解できてきたという成長であるということを 頭におき、大人としても注意深く行動したいですね。 また、 その秩序が乱されることに対して子どもは異常に抵抗し、 大人に対しても正すように求めます。 それが大人にとっては ‘ 融通がきかない ’という苛立ちになることも あるかもしれませんが、 その抵抗こそが、 この時期には通るべき成長段階であるということを理解し、 受けとめていくことが何よりも大切ですね。 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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