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![]() 『 物理的な理由 』 5歳 「 広い部屋 」 ということばがきっかけで話が弾んだ。 広いとたくさんの人が集まれるということ、 いろんなことができるということ…などなど。 すると、急に Tくんが言った。 「 ぼく、お金持ちは嫌い! 」 と。 「 だって… 」 理由は… 「 広い家だと、トイレがどこにあるかわからないもん 」 だった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… 物理的な理由と精神的な理由について… 「 広い部屋 」 という話題から、いろんなイメージを ふくらませて話し出す子どもたちです。 みなさんは、この 「 広い部屋 」 ということばから、 どんなイメージを持たれますか? 大抵の方は、良いイメージではないでしょうか? そして理由は、 たとえば… 「 解放感があって安らぐから 」 とか、 「 気持ち的に余裕を感じるから 」 とか… でしょうか? 中には、「 掃除が大変だから 」 と、逆のイメージで 捉える方もいらっしゃるかもしれませんが…。 「 広い部屋 」ということばから 「 トイレがどこになるかわからないから 広い家に住んでいるお金持ちは嫌い 」 というイメージはわくでしょうか? Tくんが話したことばから たとえば 広い家 = お金持ち と連想して 「 お金持ちは嫌い 」 の理由を推測するとすれば どんな理由が思い浮かぶでしょうか? 「 お金持ちはケチな人が多いから 」 とか、 「 お金持ちは、お金にものをいわせるから 」 とか、 価値観の表現でもある精神的な理由があげられるのでは ないでしょうか? 子どもは、 「 ぼく、お金持ちは嫌い! 」 その理由は… 「 お金持ちが住んでいる広い家は、トイレがどこにあるか わからないから 」 という物理的な理由をあげます。 ことばの表現で、 「 …だから 」 と、理由を考えて話すことができるのは、 4 〜 5 歳くらいからです。 それも最初は、物理的な理由です。 自分の「 気持ち 」 の表現でもある精神的な理由となると、 「 嬉しい 」 、「 悲しい 」、 「 楽しい 」 … 「 どんな気持ち? 」 という、自分の内側にある感情を ことばで思考して表現するという難しさがあります。 具体的なものをことばにするのとは違って、 目に見えない気持ちを表現するのは、とても難しいこと。 が、その難しい表現も、いろんな話題にふれて、 友達の意見もしっかり聞いて、その上で友達の気持ちに 左右されない、自分自身の気持ちを表現する経験を 積めば積むほど、精神的な理由も表現できるようになります。 子どもたちひとりひとり、それぞれ生きてきた中に 気持ちがあり、価値観があります。 気持ちも価値観もことばにすることで、 その気持ちや価値観が自分自身の思考として成立して、 人にも伝わるようになります。 人に伝えることはコミュニケーションの第一歩! 成長に任せるのではなく、子どもたち同士が いろんな場面でのいろんな 「 精神的な理由 」 の 意見交換をして、他者の気持ちを共有したり、思いやったり できるようになれば、 このコロナ禍での、それぞれ異なる状況にも思いを寄せて 優しさあふれる仲間になれるのではないでしょうか? 自分と異なる価値観を否定したり誹謗中傷したりすることなく! 「 自分の価値観で人を責めない。 一つの失敗で全て否定しない。 長所を見て短所を見ない。 心を見て結果を見ない。そうすれば人は必ず集まってくる 」 by 吉田 松陰 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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