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![]() 『 あるつもり 』 5歳 劇あそびの練習でのこと。 大道具の制作中ということもあり、 「 実際はないけれども、あるつもり 」 で、 想像力を働かせて取り組んだ。 「 ここに、木があるつもり… 」 頭では理解していても、実際に動くと… 木はなくなってしまう子どもたちだった。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… ないものをあるつもりでメージする力について… 年少児でも、ないものをあるつもりで想像して 楽しむことができます。 海がない部屋で 「 ここは海 」 と、 海があるつもりでバシャバシャと泳ぐことができます。 武器がなくても 持っているつもりで戦いごっこを楽しむことができます。 聴診器を持ってなくても 持っているつもりで患者さんを診察することができます。 ないものをあるものとして頭に描けるのは まさに想像力です。 最初は、異なるものを そのものに見立てるところから スタートする 「 つもり遊び 」。 たとえば… 椅子を電子レンジに見立ててその上に料理を並べて 「 チンッ 」と 温めたりします。 電子レンジではないけれども、電子レンジとして 頭に描いています。 見立て遊びから次には 見立てなくても 「 あるつもり 」で動くことができてきます。 目に見えないものを想像するには、そのものの知識が必要です。 「 海 」「 木 」「 電子レンジ 」… それはどういう形態をしていて どういう役割なのかという知識です。 見たり聞いたりして知っているから 「 あるつもり 」で 想像できるようになります。 「 あるつもり 」 想像力は、経験が多ければ多いほど 豊かになる力。 経験が多ければ多いほど物事の知識が増え、 知識が増えれば増えるほど、想像してあらゆる場面で 使うことができるようになります。 そしてその想像力は、大きな壁にぶち当たったとき、 また何か困った問題が起きたときに 解決する方法を考え出す手助けになります。 年少児もできる「 あるつもり 」 遊びですが、 年長児が難しかったのは… ストーリーの中の一場面を切り取っての想像だから。 常に意識していないと忘れてしまうからです。 海で泳ぐとなるとそこに集中できますが、 ストーリーの中の 「 木がある場面 」 を 継続して意識することはなかなか難しいものです。 ストーリーの切り取られた場面の中でも継続して 「 あるつもり 」として行動するには、 その存在を、継続されるストーリーの中で意識できるように たとえば 「 木 」だったら、 「 大木 」なのか、 風で押し倒された 「 木 」なのか、 「 海 」だったら「 穏やかな海 」なのか、 「 荒れ狂う海 」なのかなど、 その状況や背景までイメージすることです。 その力こそが、あらゆる場面での対応力や、 解決策を生み出す力につながってきます。 子どもたちが何気なく楽しんでいる「 ごっこ遊び 」が こんなにも教育的に大切な遊びと知れば、 海がない部屋でいっしょに泳いでみたり、 患者さんになって診察を受けてみたり、 子どもの 「 あるつもり 」遊びにつきあうのも楽しいものです。 生活の中でいろんな場面を経験して、 それを疑似体験できる機会が たくさんたくさんあるといいですね? コロナ禍で、新しい場面、新しい人との関わりというのは なかなか難しいかもしれませんが、 今までの経験を、この おうち時間で 再現して遊ぶのもいい機会かもしれませんね? 「 どんな子どもも強烈な想像力をもって生まれている。 しかし、使わなければ筋肉が衰えるのと同じように、 鮮やかな想像力も次第に色あせてしまう 」 by ウォルト・ディズニー INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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