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![]() 『 表現力 』 新聞の編集手帳より〜 「 ウィンク、 ほら、ウィンクだよ 」 日本そばの店で、隣に居合わせた、 幼稚園児と思われる子どものことば〜 棚の上に置かれている、 片方の目だけが黒く塗られたダルマを指さしての ことばであった。 携帯電話に夢中のお母さんは、 「 そう、よかったね 」 と、ひとこと生返事! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ということで、今日は… 想像力豊かな子どもの表現力について… ダルマの片方だけ黒く塗られた目を ‘ ウィンク ’ と表現した子どもの見立て力、想像力が、 お母さんではなくて、隣に居合わせた筆者に響いたことに ちょっぴり複雑な思いがしました。 「 ねえ、ねえ、聞いて!」 と、一日中、話し続ける子どものことばのどれだけを 止めおいて聞くことができるでしょうか? 忙しい家事、子どもに関わるあれやこれや… また、この女の子のお母様は仕事を持っていて、 その関係でメールをしていたかもしれません。 日常生活の中では、 子どもの話すことばをついつい聞き流してしまう… ありがちですね? 「 ん? 子どもだからこその発想で面白いわね!」 と、そのことばを拾うアンテナは、 常にそばにいる人よりも、この筆者のように 客観的に受け止められる人の方が感度が良いのかも しれませんね? 子どもだったら… ' これを見たら、何て言うのだろう? ' ' これを聞いたら? ' ' これに触れたら? ' と、大人にはない想像力豊かな受け止め方に、 関心を寄せられれば、 自然発生的な返しに注意を払うまでもなく、 こちらから、 子どもの表現を引き出す質問を投げかけることもできます。 たとえば、蕎麦屋さんのダルマを指さして、 「 あのダルマさん、何してるのかな? 」 と、子どもに投げかけてみたり…。 そうすると、予想もつかない想像力豊かなこたえを 楽しみに待つことができますね。 小学生くらいになると、知識が入ってくるので、 大人と同じ答えを、 ひとつの答えを、返すようになりますが、 概念、知識がまだまだ固まっていない幼児期は、 あらゆる角度からの知恵を寄せ集めて表現するので、 この時期にしか出ないことばを聞くことができます。 驚かされたり、 笑わされたり、 気付かされたり… 子どもたちから刺激をもらうことができますね? あっという間に過ぎていく、 この貴重な貴重な想像力豊かな時期の子どものことば、表現を 聞き流してしまうにはもったいない… そう捉えることができたら、 子どもの話を聞くことが何より楽しみになってきます。 身近にいて、しゃべり続ける子どもの真っ只中にいても その見立て方、想像力、その表現の仕方…に、 ふと立ち止まって、子どもの話に耳を傾けてみたくなります。 そうすると子どもたちは、より一層、 「 ひとつの答え 」 「 概念 」 「 知識 」〜 に、縛られることなく、 さらに広く深く自由な発想を楽しむようになります。 大河ドラマ 「 おんな城主 直虎 」で… 和尚が幼いおとわ(後の直虎)に教えたこと、 それは、「 こたえはひとつではない 」 ということ… そんな場面がありました。 お家存続のための方法〜 大人たちの答えは、意に添わない縁組み! でも… いつかは戻ってくるであろう、謀反の疑いをかけられ、 命を狙われているいいなづけを傷つけたくないおとわは… 和尚の教えである、 「 ひとつではないこたえ 」 を考え出します。 ' 出家 ’ という、大胆なこたえです。 そして大きな危機を乗り越えていきます。 ひとつのこたえは、想定内のひとつのゴールにしか たどり着きませんが、 たくさんの選択肢から出したひとつではないこたえは、 問題解決の糸口を広げ、 予想だにしないゴールを引き寄せたりもします。 子どもの限りなく豊かな想像力が 大人化する前に、 大人が思いもつかないそのこたえを拾って、 「 面白い! 」を共有して、 子どもと同じように 初めて見るゴールの感動を味わいたいですね? そして、一緒に ' できた ' 喜びを共有していきたいですね。 「 人間の知恵というものは、しぼればいくらでも 出てくるものである。 もうこれでおしまい。もうこれでお手上げなどという ものはない 」 by 松下 幸之助 INDEX <前号 次号> ![]() Copyright(c) Kids Canvas.All Rights Reserved.
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